業務の属人化を解消!
原因とリスク、改善のポイントを解説

業務が特定の個人に依存する属人化には、さまざまなリスクが潜んでいます。本記事では、属人化の定義やリスク、さらには解消に役立つ方法と具体的な事例を紹介します。

属人化が生じると、担当者の不在時に業務が滞ったり、品質が低下しやすくなります。こうした問題を放置すると、組織全体の成長を阻害し、顧客満足度にも悪影響を及ぼすかもしれません。特にノウハウが共有されないまま個人依存が進むと、引き継ぎに膨大な時間とコストがかかり、長期的な負担にもつながります。

このようなリスクを回避するためには、業務プロセスを可視化し、標準化を行うことが肝要です。また、ITツールの活用によって知識共有やコミュニケーションを円滑化し、組織全体でノウハウを蓄積することが新たな競争力にもなります。まずは属人化の概要とリスク、その解消のメリットや具体的な対策を順に見ていきましょう。

DX はじめの一歩[組織間の情報共有 編] 無料ダウンロードはこちらDX はじめの一歩[組織間の情報共有 編]無料ダウンロードはこちら

属人化とは何か

業務の属人化はさまざまな問題やリスクの原因になります。ここではまず、属人化の定義や問題点、リスクについて見ていきましょう。

定義とその問題点

まずは属人化の基本的な定義と問題点、そこから生じるリスクを把握しましょう。

属人化とは、特定の個人だけが業務の詳細やノウハウを握っている状態を指します。この状態に陥ると、担当者の都合によって業務進行が左右されるため、組織としての柔軟性が失われやすくなります。また、周囲のメンバーが担当者の作業内容や背景を理解できないため、突発的なトラブルが発生しやすい点も問題です。

実際、その担当者が休暇や退職などで不在になると、残されたメンバーはノウハウ不足によって迅速な対応が難しくなります。このように属人化は、業務の継続性や品質維持を脅かす要因となり、組織全体のパフォーマンスを下げる可能性があります。

一方で、高度に専門的な業務では、ある程度の属人化が避けられない場合もあります。しかし、属人化のデメリットとリスクを認識したうえで、できる限り標準化する仕組みを整えておくことは、組織のレジリエンスを高めるうえで欠かせません。

定義とその問題点

属人化の定義としては、特定の人にしかわからない業務や知識が存在し、それが他の人に共有されていない状態を指します。こうした場合、組織全体で情報が不足しやすく、担当者の作業を誰も正確に把握できない問題が発生します。結果的に他の社員がサポートや代替対応を行いづらくなるため、業務効率や継続性の面でもリスクが大きくなります。

属人化が引き起こすリスク

属人化とは何か

属人化が進むと、担当者の不在時に業務が滞り、他のメンバーがすぐに対応できない事態が起こります。また、離職・異動などで担当者が抜けた場合には引き継ぎコストが大幅に増大し、お客様対応や社内のプロジェクト進行が遅れがちです。さらに、個人のやり方に依存してしまうため、サービス品質が一定に保たれず、組織全体の信用や評価が低下する可能性があります。

属人化が生じる原因

どのような要因によって業務が限定的な人に依存してしまうのでしょうか。

属人化の背景には、知識共有の文化や仕組みの不足、または教育・トレーニングに関する時間やリソースの不足などが挙げられます。担当者が忙しさを理由に情報を書き出さなかったり、周囲が問題意識を持てなかったりすると、個人に依存したままの業務が固定化されてしまうのです。

さらに、忙しい現場では一度担当者が決まると他のメンバーに振り分ける手間を嫌い、そのまま個人依存の状態が続くことも多いです。こうした慣習や体制のままでは、担当者が持つノウハウの可視化が進まず、結果として属人化が深刻化します。

特定個人への業務依存

特定の人に業務が集中しやすくなる背景として、その人が長く勤めており実績がある、または専門知識を持っているという点が挙げられます。組織としては、任せやすいというメリットがありますが、個人依存が強まるほど、その人の負担も大きくなりがちです。その結果、担当者のモチベーション低下や離職率の上昇を引き起こす危険もはらんでいます。

知識共有の不足とマニュアルの欠如

属人化の要因として多いのが、ナレッジの共有不足やマニュアルの未整備です。日々の業務手順やノウハウが口頭説明や個人の経験則に頼っていると、周囲がその内容を知る機会を失います。また、マニュアルが存在しても更新が滞ると、現場では実情と合わない古い手順が放置されるケースもあります。こうした環境では、組織としての学習や改善が進みにくく、属人化が後を絶たない原因となります。

DXはじめの一歩[ノーコードで脱Excel編] 無料資料をダウンロードDXはじめの一歩[ノーコードで脱Excel編] 無料資料をダウンロード

属人化解消(業務の標準化)のメリット

属人化解消(業務の標準化)のメリット

属人化を解消し、業務を標準化することで得られるメリットを紹介します。

属人化を防いで業務を標準化することにより、組織全体の生産性や信頼性を大きく引き上げることが期待できます。誰が担当しても一定の成果が出せる仕組みが確立すれば、突発的な担当者不在にも動じない柔軟な体制が構築できるでしょう。

また、標準的な手順やルールがあることで、新しいメンバーが早期に戦力化しやすくなります。属人化を解消して業務品質を維持・向上させることで、顧客満足度が高まり、長期的な信頼関係の構築にもつながります。

1.業務効率の改善

業務が統一された手順で行われると、プロセス全体の無駄や重複が明確になり、改善を行う余地が発見しやすくなります。結果として、メンバー同士が協力しやすくなり、生産性の向上が見込まれます。担当者個人の癖や属人的な工夫に依存しないため、新しいメンバーが合流してもすぐにパフォーマンスを発揮できる点も大きな利点です。

2.ナレッジ・ノウハウの共有

属人化を解消して業務を標準化する過程では、担当者が持つ専門知識や成功パターンなどのノウハウが可視化され、組織全体で共有されます。これにより、新人や異動したメンバーが短期間で仕事を覚えられるほか、経験者同士で互いの情報を補完し合うことが可能になります。結果的に個人に依存しない強固なチームを作り上げることができます。

3.業務のサービス品質の維持

個々人のスキルに左右されやすい状態から脱却し、安定した品質を維持できる点も標準化の大きなメリットです。属人的な対応だと、担当者の力量によってサービスにばらつきが出てしまう可能性があります。標準化が進めば、誰が対応しても一定品質を保った業務が提供でき、お客様への信頼度をより高めることができます。

属人化解消のための具体的な方法

属人化を防ぐための具体的な対策や取り組みを押さえておきましょう。

まずは業務内容を洗い出し、誰が何をどのように行っているかを把握することが重要です。可視化の段階で問題点が見つかれば、優先度の高いものからルール化や責任分担の見直しなどを行い、段階的に属人化を解消していきます。

また、ドキュメント化やITツールの導入などで、情報を常にアップデートできる仕組みを作っておくと効果的です。一度対策を整えても業務は変化し続けるため、定期的に見直しを図りながら、組織全体で継続的に改善していく姿勢が大切です。

業務プロセスの見える化と標準化

担当者ごとに異なる手順やノウハウを棚卸しし、フローチャートなどで全体像を明確にするのが最初の一歩です。どの業務が誰に集中しているかがわかれば、標準化すべきポイントが浮き彫りになります。そのうえで、業務を細かいステップに分解して、誰でも再現できる形式で文書化していくことが重要です。

業務責任の分散

単一の担当者に業務が集中している場合、複数のメンバーに責任と権限を分配することでリスクを低減できます。たとえば、承認プロセスを複数人で行う仕組みにするなど、必ず誰かがフォローできる体制を作ることが大切です。こうした分散体制により、プロジェクト途中での欠員や新規メンバーの育成にも対応しやすくなります。

手順書やマニュアルの共有

各業務の手順書やマニュアルを作成し、常に最新の内容に保つことで属人化を解消しやすくなります。作成した資料は、社内の共通フォルダやクラウドサービスなどを活用して、誰でもいつでも確認できるようにすると効果的です。併せて、定期的な更新の仕組みを設定することで、マニュアルが形骸化しないように留意しましょう。

情報共有を促すITツールの導入

チャットツールやグループウェアなど、社内でのコミュニケーションを円滑にするITツールは属人化解消の大きな助けになります。グループチャットで気軽に質問できる環境があるだけでも、担当者個人に情報が集まりすぎる状況を緩和することができます。また、進捗状況や業務内容を可視化できるプロジェクト管理ツールを導入することで、誰がどの業務を担当しているかが一目でわかり、チームワークを強化する効果が期待できます。

属人化解消におすすめのITツール

業務効率化を後押しし、属人化をなくすためのITツールの検討ポイントを説明します。

ITツールを活用する場合は、まず自社の課題と導入目的を明確にすることが大切です。属人化の原因がドキュメントの共有不備なのか、あるいはコミュニケーション不足なのかを把握して、最適なツール選びに活用しましょう。

ツール選定の際は、導入・運用コストだけでなく、実際に運用する現場が使いやすいインターフェースかどうかも重視すると失敗を減らせます。必要な機能が揃っているか、カスタマイズ性や連携機能が十分かなど、長期的な視点で比較検討し、属人化の解消に役立てることがポイントです。

仕事を効率化するITツールについては、「仕事の効率化を図るための最適ツールガイド」にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

【ツール検討のコツ】業務効率化と課題解決の第一歩を踏み出すための資料

【ツール検討のコツ】業務効率化と課題解決の第一歩を踏み出すための資料

企業や組織の「デジタル化」「システム化」にむけて効果を出せる、間違わない「ツール選定のキモ」をツール検討の一連フローと4つのポイントを押さえてご紹介します!

ITツール導入による属人化解消の事例

実際にITツール導入が成功して属人化を解消できた事例を紹介します。

ITツールを活用して属人化を解消した企業では、紙やExcelに依存していた業務をシステム化することで、情報共有が一気にスムーズになったという声が多く聞かれます。導入後は業務スピードが上がり、ミスの減少とサービス品質の向上を実感できる事例も少なくありません。

特にクラウド型のサービスであれば、導入時の初期コストを抑えつつ、メンバーが場所を問わずアクセスできる点が利点です。これにより、テレワークや出先でも作業がしやすくなり、属人化だけでなく働き方改革の面でもメリットがありました。

ここからは、グループウェア desknet's NEOと業務アプリ作成ツール AppSuiteを活用して業務の属人化を解消した成功例をご紹介します。

ITツールで情報共有を効率化して属人化を解消した事例

導入前は、グループ会社間の情報共有が遅延・停滞し、属人的な対応で総務部が疲弊していました。社内報の郵送コストや、紙ベースの申請・承認における紛失、タイムラグも深刻な問題でした。目的は、DX推進の基盤として情報共有を迅速化し、ペーパーレス化による全社的な業務効率化とコスト削減を実現することでした。

株式会社いちまる様

株式会社いちまる様の導入事例

導入前は、グループ会社間の情報共有が遅延・停滞し、属人化しがちな対応で総務部が疲弊していました。社内報の郵送コストや、紙ベースの申請・承認における紛失、タイムラグも深刻な問題でした。目的は、DX推進の基盤として情報共有を迅速化し、ペーパーレス化による全社的な業務効率化とコスト削減を実現することでした。

desknet's NEO導入後の成果

ITツールの導入により、これまで属人化し、紙ベースが中心だった業務プロセスが大きく改善されました。
まず、情報共有のあり方が変わりました。経営層のメッセージから従業員間の趣味の話題まで、あらゆる情報が一つの場所に集約され、従業員が「見に行きたくなる」場ができました。これにより、情報の停滞がなくなり風通しが良くなっただけでなく、従来は印刷・郵送していた社内報も電子化され、それに伴う手間とコストが大幅に削減されました。

また、勤怠や慶弔などの申請業務はすべて電子化されました。紙の書類を回覧する必要がなくなり、申請書の紛失リスクや、承認者が不在で業務が止まる「承認待ち」の時間がなくなりました。記入漏れや訂正依頼といった細かな手戻り作業も一掃されました。
さらに、これまで電話対応に追われていた会議室などの設備予約や、調整が難航していたスケジュール管理も、システム上で完結できるようになりました。総務部の電話対応業務が激減し、全社的な業務効率化に繋がりました。

本事例の詳細な内容については、「株式会社いちまる様の導入事例」にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

紙やExcelでの管理をITツールでシステム化して属人化を解消した事例

従来、紙やExcelでそれぞれが個別に管理していた情報やタスクを、統合システムで一元管理するように切り替えた企業の例です。この取り組みにより、特定の担当者にしかわからないデータ管理が大幅に減り、メンバーが誰でも必要な情報を即座に参照できるようになりました。また、担当者間の認識のズレが解消され、業務の重複やミスを減らすことにも成功しています。

アサミ情報システム株式会社様

アサミ情報システム様の導入事例

アサミ情報システム株式会社様では、独自のExcel管理が長年続いており、担当者以外はその運用ルールを把握できない状況が続いていました。そこで、自社の業務フローを洗い出し、クラウドやノーコードツールを活用してシステム化を行いました。その結果、情報閲覧権限や更新の手順が明確化され、属人化の解消と同時にチーム全体の業務スピードが向上しました。

AppSuite導入後の成果

AppSuiteを導入した後は、社内のナレッジを集約して誰でもアクセス可能な環境を整備しました。これにより、属人的だったノウハウが全員にとっての資産になり、業務が円滑に進むようになりました。また、問題や課題が生じたときにも過去の事例をすぐに検索して参照できるため、判断スピードが大幅に上がり、社内コミュニケーションの活性化にもつながっています。

既存の文書管理方法では、日付や金額、取引先を正確に入力しなければ検索機能が十分に活用できませんでした。しかし、従業員一人ひとりに手入力を求めるのも非現実的で非効率です。そこで、「みんなが使えて説明も最小限で済む場所」としてdesknet's NEOを活用します。AppSuiteで支払依頼用のアプリを作成し、会計ソフトの支払先マスタデータと連携して取引先名を正確に選択できるようにしました。結果、全員が統一されたフォームで証憑データを提出できるようになり、経理データの正確性を確保できるようになりました。

本事例の詳細な内容については、「アサミ情報システム株式会社様の導入事例」にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

「手間がかかるな」と思ったその時に
業務のムダを現場で改善 AppSuite(アップスイート)

ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
https://www.desknets.com/neo/appsuite/

ノーコードツールについてのおすすめ資料
最新ノーコード・ローコードツール徹底比較

最新ノーコード・ローコードツール徹底比較

DXで注目されている「内製化」や「デジタル(IT)の民主化」の実現にも大きく貢献するとされる、最新ノーコード・ローコードツール3製品を対象に、マイナビニュース編集部が、機能面およびコスト面の特長を徹底比較しました。

ITツールの導入で運用ノウハウを共有して属人化を防いだ事例

ノウハウは担当者の頭の中だけで完結してしまいがちですが、ITツールを使うことで誰もがアクセス可能な形で保存・更新ができます。特に、プロジェクト進行中のアイデアや検討事項をリアルタイムに共有することで、常に最新情報が組織全体に行き渡り、属人化が起こりにくい環境を作ることができます。

西日本三菱自動車販売株式会社様

西日本三菱自動車販売株式会社様の導入事例

西日本三菱自動車販売株式会社様では、各拠点で異なる営業ノウハウがバラバラに管理されていました。そこでITシステムを導入して情報を一元管理することで、社内全体での統一的な接客レベル維持と、担当者不在時のフォロー体制の整備に成功しました。結果として、お客様への対応品質を高く保ちつつ、新人の早期育成にもつながっています。

desknet's NEO導入後の成果

desknet's NEOを採用後は、スケジュール管理や情報共有機能を活用して社内コミュニケーションが劇的に改善しました。各拠点から集まる営業レポートをリアルタイムに閲覧できるようになり、チーム全体でナレッジを共有できる体制が整ったのです。これにより、属人化による業務停滞が減り、業務効率化と顧客満足度の向上を同時に実現しました。

本事例の詳細な内容については、「西日本三菱自動車販売株式会社様の導入事例」にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

属人化のリスクと解消のためのポイントを確認しました。最後に要点を振り返ります。

属人化を解消するには、業務の可視化や標準化、責任分散、手順書やマニュアルの整備など、組織全体での取り組みが求められます。ITツールを導入し、情報共有環境を構築することは効率的かつ継続的な属人化対策になるため、ぜひ検討してください。

また、導入後も定期的に業務フローを見直して改善することが大切です。属人化を防ぐ仕組みを維持しながら、組織としての学習と成長を続ければ、変化の激しいビジネス環境でも安定したサービス提供ができるでしょう。

スケジュール管理からノーコード開発まで 業務課題をワンストップで解決、
DXを推進する desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)

誰にでも使いやすいグループウェア
https://www.desknets.com/

グループウェアについてもっと詳しく
desknet's NEO 製品カタログ

desknet's NEO 製品カタログ

情報共有、業務の改善・デジタル化、セキュリティ管理などの社内の課題を解決できるグループウェア desknet's NEOの製品ご案内資料です。

更新日:

株式会社ネオジャパン 編集部 執筆者:株式会社ネオジャパン 編集部

desknet's NEOのお役立ちコラムは、1999年の市場参入から25年以上のグループウェア開発・提供実績を持つネオジャパンが、業務改善に役立つビジネス用語の基礎知識、ツールの選び方などの情報をお届けします。グループウェア、そしてノーコードツールの開発・販売の知見をもとに、社内コミュニケーション改善、社内情報の共有といった課題解決に役立つ情報発信をいたします。

グループウェアのことがもっとよくわかる!
セミナー・イベント情報
見てわかる、触ってわかる、全国各地でセミナー開催中
カタログ・資料
製品カタログや事例集など各種資料を請求・ダウンロード
導入事例
官公庁を含め、幅広い業種・規模でご利用いただいた事例をご紹介します。
よくあるご質問
実際に購入をご検討中の方から寄せられる多くの質問にお答えします。

すべての機能は今すぐ無料で
体験できます

クラウド版の使いやすさを体験!

インストールして
試せるパッケージ版

電話でお問い合わせ

平日9時 - 12時 / 13時 - 18時