直接費と間接費の違いとは何か?
不要なコストを削減するコツをわかりやすく解説!
企業が健全な経営を維持するためには、適切なコスト管理が不可欠です。そのためには、発生するコストを直接費と間接費に分類し、それぞれの性質を理解することが重要になります。本記事では、直接費と間接費の違いを紹介し、無駄なコストを削減するための方法についてもわかりやすく解説します。
直接費の基本
ここでは直接費の概要とその種類について、それぞれ解説します。
直接費とは
直接費とは、特定のプロジェクトや事業に直接関連する費用を指し、製造原価の主要な構成要素の一つです。具体的には、プロジェクトに従事する人件費、資材費、外注費、旅費交通費などが含まれます。これらの費用は、プロジェクトの実施に不可欠なものであり、適切な金額設定や利益分析を行う際に必要な費用です。
直接費の種類と具体例
直接費は「直接材料費」「直接労務費」「直接経費」の3つに大別されます。それぞれについて、みていきましょう。
直接材料費
直接材料費とは、製品の製造や特定のプロジェクトの実施に直接的に関わる原材料や部品の購入費用を指します。具体的には「原材料費」「部品費」「副資材費」などになります。
直接労務費
直接労務費とは、製品の製造や特定のプロジェクトに直接従事する作業員や技術者に対する人件費を指します。具体的には製造に携わった従業員に支払う賃金や、手当などが含まれます。
直接経費
直接経費とは、直接材料費や直接労務費以外で、特定の製品やプロジェクトに直接関連する費用を指します。具体的には「外注加工賃」「運賃」「設備費」などがあげられます。
間接費の基本
続いて間接費についても詳しく解説します。間接費も製造原価の重要な構成要素ですが、その配分方法は企業にとって大きな課題となることがあります。自社の事業特性に合わせた適切な配分方法を選択することが重要です。
間接費とは
間接費とは、特定のプロジェクトや事業に直接関与しない共通的な費用のことを指します。間接費は、複数のプロジェクトに共通して必要となるのが特徴で、個別のプロジェクトに直接割り当てることができません。代表的な例として、管理部門の人件費、事務所の光熱費、通信費などがあげられます。
間接費の種類と具体例
間接費は「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」の3つに分けられます。一般的に製造業では間接費の占める割合が大きくなる傾向にあります。
間接材料費
間接材料費とは、製造現場や事業活動全般に間接的に関わる資材や消耗品の購入費用を指します。具体的には「工場消耗品費」「事務用消耗品費」「修繕用消耗品費」などが含まれます。
間接労務費
間接労務費とは、製造や事業活動を間接的に支える従業員に係る人件費を指します。具体的には製造現場の監督者や品質管理員に支払う賃金や、手当などが含まれます。
間接経費
間接経費とは、製造や事業活動を間接的に支えるさまざまな費用を指します。具体的には「減価償却費」「光熱費」「通信費」などが含まれます。
直接費と間接費の違いと分ける理由とは
直接費と間接費の概要がそれぞれわかったところで、ここでは両者の違いや区別する理由について解説します。
直接費と間接費の違い
直接経費は特定の製品やプロジェクトに直接関連する費用であるのに対し、間接経費は複数の製品やプロジェクトに共通して発生する費用です。また、直接経費は製品1単位やプロジェクト単位で特定できる一方、間接経費は製品やプロジェクトに直接的には関連付けられない点が主な違いといえるでしょう。
原価を直接費と間接費に分ける理由とは
原価を直接費に分ける理由として、原価の内容を明確にし、会計処理などの際に原価の内訳を把握したいといった点が挙げられます。間接費は製品に直接関連付けられる費用ではなく、どの製品にどれだけのコストがかかっているのかを把握することができません。「この製品にかかった間接費は大体このぐらいだろう」と感覚で判断してしまうと、正確な原価が把握できないほか、最終的に赤字になってしまう恐れがあります。直接費と間接費のそれぞれを正確に把握し、原価の内訳を明らかにすることが大切です。
コスト配分で大切な配賦処理
原価の管理において「配賦処理」は非常に重要な役目を果たします。配賦処理とは、製造間接費や販売費及び一般管理費などの間接費を、適切な基準に基づいて各製品やサービス、部門などに割り当てる作業のことです。適切な配賦処理を行わないと、製品原価や部門別の損益を正しく把握することが困難になり、経営判断を誤る可能性があります。
また、配賦処理を行う上で留意すべき点は、配賦基準の選定です。配賦基準とは、間接費用を各製品やサービス、部門に按分する際の基準であり、その選定が原価計算の精度を大きく左右します。それぞれの間接費用の発生原因や特性に応じて、最も適切な配賦基準を選択するようにしましょう。
一方で、完璧な配賦は困難であり、過度にコストをかけすぎるとかえってデメリットにもなりかねません。定期的に配賦基準や配賦率の見直しを行い、必要に応じて修正することで、より実態に即した原価計算に近づけていくことが大切です。
経営を改善するなら間接費の削減が有効
経営の改善を目的としている場合、間接費の削減は有効な手段のひとつです。間接費とは、製品やサービスの作成、販売に直接関係しない経費のことで、事務所の賃借料や管理部門の人件費、減価償却費など、固定的な性格を持つ経費が多くを占めています。直接費と異なり、製品に直接的に発生するものではないため、工夫次第で削減の余地があるといえるでしょう。
そのため、経営改善を図る際には、まず間接費の削減に着手するのをおすすめします。間接費の中には、必ずしも事業活動に必要でない無駄な経費が含まれている可能性があるためです。事務所の移転や統廃合、社内業務の標準化および効率化、アウトソーシングの活用、管理部門の人員適正化など、さまざまな施策により間接費を圧縮することができます。経営改善を実現するためには、常日頃から間接費で削減できる部分がないかを模索し、その上で直接費の効率化を図るという手順が重要になるでしょう。
間接費を削減するためのコツ
間接コストを削減するための3つの主要な対策として、間接材料費、間接労務費、間接経費の削減が挙げられます。これらの項目について、自社の状況に合わせた削減方法を検討することが重要です。
間接材料費を削減する
間接材料費とは「補助材料費」や「消耗品費」など、製品を製造する上で原材料に該当しない材料を購入する際に支払う費用を指します。間接材料費の削減を図るには、適切な在庫管理によって過剰在庫を抑え、供給業者との価格交渉や代替素材の検討を行うことが大切です。不要な材料の使用を最小限に抑え、調達コストを引き下げるようにしましょう。
間接労務費を削減する
間接労務費とは、製造や事業活動を間接的に支える従業員に係る人件費を指します。作業の効率化や人員の適正配置、新しい自動化技術の導入などにより、無駄な労働時間を削減することで、間接労務費のコストダウンにつなげることができるでしょう。生産性を向上しながら、過剰な人件費支出を抑制することが大切です。
間接経費を削減する
間接経費とは、オフィスの賃貸料・光熱費・出張に係る旅費や交通費など、製品やサービスに直接関係がない費用を指します。間接経費は事業運営において避けられない「共通の支出」である一方、業界や業種に関係なく管理・適正化が比較的容易であるといえるでしょう。法人クレジットカードの導入やLED照明への切り替え、施設の断熱化、オフィススペースの最適化などに取り組むことで、間接経費を削減できます。
まとめ
直接費と間接費を適切に把握し区分することは、原価計算の精度を高め、正しい経営判断を下す上で欠かせません。特に間接費は工夫次第で削減の余地が大きいため、経営改善を目指す際はまず間接費の見直しから着手するのがよいでしょう。
間接材料費、間接労務費、間接経費それぞれについて、在庫管理や自動化、無駄な支出の見直しなど、さまざまな対策を講じることでコスト削減を図れます。ただし品質や生産能力、従業員の労働環境に配慮しながら、バランスの取れた対策を行うことも忘れてはいけません。直接経費と間接経費の違いを理解し、自社の状況に合わせた最適な管理方法を見出すことが、経営改善の鍵となるでしょう。
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