大事故に繋がる可能性のあるメール誤送信への対策
メールの誤送信は多くの方が経験しているかと思いますが、一歩間違えれば重大な事故につながってしまうミスです。今回は、メール誤送信のリスクを減らすための方法を、ITコンサルタントの亀田健司さんに紹介していただきます。
メール誤送信によって生じるリスク
日常的に使う電子メールの誤送信は、誰でも一度はやった心当たりのあるミスです。
電子メールの誤送信は一歩間違えば致命的な問題に発展しかねないもので、「やってしまった」では済まない場合もあります。
実際、2014年にオーストラリアでG20サミットが行われた際、オーストラリア政府の移民局スタッフが、各国首脳のパスポート番号などの個人情報を外部に間違って漏洩してしまうという大失態を犯したという事例もあります。
ここまで大規模ではなくても、メールの誤送信というミスは組織や企業に致命的なダメージを与えてしまうこともあります。
こういった問題が起こるのは、一度送信すると取り消せないというメールの性質による部分が大きいと言えます。どんなに気を付けていても人間はミスを犯すものです。
しかし、そのミスは気が付かないうちに組織にとてつもないダメージをもたらすのです。情報の漏洩ももちろんですが、下手をするとウィルスに感染した添付ファイルを送付してしまうなどといった事故で自分も含め多くの人に多大な迷惑をかけてしまう可能性もあるのです。
メール送信のルールの明確化
とはいえ、ちょっとした工夫さえすればメールのミスはかなり減らすことも可能です。その方法には大きく分けて運用方法による回避方法とクラウドシステムや専用ソフトなどのツールを使って回避する方法があります。
まずお金もかからず、誰でもできる方法であるのが人為的回避方法です。そのやり方は単純で、メールの運用に関する明確で分かりやすいルールを設けることです。
例えば、重役や取引先などの大事な相手への一斉告知などのメールは書いたらすぐに送信するのではなく一旦送信トレーに保存しておき、少したってから再び内容を確認してから送信すると良いでしょう。
その際にまずチェックしないといけないのが「TO」「CC」「BCC」といった各宛先のアドレスが適切に記述されているかということです。誤った送信先はないかということはもちろんですが、メールアドレスなどを互いに知らせてはいけないような場合、きちんと「BCC」に記述されているかというような点などをきちんと確認しましょう。
こういったルールは箇条書きにし、ひとつひとつ丁寧に確認するようにルールを定めると素早く的確な点検ができます。さらに、送信前に上司などの確認をもらうなどの処置を施すことで、メールの事故が起こる確率をかなり下げることができます。
メールセキュリティシステムの導入
とはいえ、やはり人間はミスを犯す生き物です。ですから前述のようなルールも含めて更に適切なツールを導入するのがより効果的です。
誤送信回避のためにさまざまな機能があるのが、メールセキュリティソフトです。機能はソフトによってさまざまですが、こういうソフトを導入することにより前述のような基本チェックや、上司への承認などを自動的に行ってくれます。人間の目視によるチェックよりも確実なので、忙しい部署のスタッフやビジネスパーソンにとっては大変便利なツールです。
また、クラウドシステムであるOffice365を導入している企業である場合、Outlookにもともとメール誤送信対策のために遅延送信やメールの送信方法を決定するトランスポートルール設定機能などのさまざまな機能が標準で装備されています。
これらの機能と前述のようなソフトを併用すればチェックはかなり手軽にできるようになります。
メールの代替ツールの利用
また、メール以外の手段がある場合はなるべくそちらを使うという回避方法も存在します。
たとえば組織内やチーム内への一斉告知などの場合、社内SNSやチャットツールを使ったほうが安全です。
こういったツールの強みはグループなどを作れる点にあります。一度グループを作ってしまえば、誤ってグループ外のメンバーに内容を送ってしまうことはないので、グループ内への告知はミスなく確実に行えます。
さらに、ファイルの添付・送信もできるので、メールにファイルを添付するよりも簡単で安全なファイルのやり取りが可能です。
その上、告知した情報が間違っていた場合、取り消しができるツールもあるので、メールで起こりがちな問題も起こりません。
ですから、メール以外にも、こういった情報伝達ツールを併用することによって、間接的にメール誤送信を減らすことができるのです。
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ミスを起こしたときの対応が最も大事
以上のように、メールの誤送信を減らす方法は実にさまざまです。しかし、一番大事なのはそれを運用する人間の心得です。
ツールなどを利用する場合には、まずはそれらを利用するスタッフのリテラシーの向上と組織の運用ルールを徹底させる必要があります。特に大事なのは誤りを犯したときの対処方法です。どのようにルールを設定し、ツールを導入したとしても必ず人間は誤りを犯してしまうものです。
そんな時に、きちんと迷惑をかけた関係者に謝罪をすることや、起こった事態に対する適切な事後処理をするといった基本的なことが一番大事です。
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執筆者プロフィール:
亀田 健司 ITコンサルタント
大手家電メーカーで研究職として就職しロボット・画像技術などの研究を行い、その後独立。
各種開発プロジェクトに参画し、コンサルティング業務をこなすと同時に、IT教育にも従事。
KDDI・IIJグループなどの企業研修や、教材の作成・監修を行っている。
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