第2回
金融機関ユーザー意見交換会 開催レポート

座談会の冒頭では、第1回の意見交換会でも話題となった「ワークフロー」から導入後の現場ユーザーに対する研修方法や頻度まで、desknet's NEOを浸透させるための創意工夫について話題が広がりました。

当金庫ではdesknet's NEOを導入して6年になりますが、「ワークフロー」は導入当初から利用していました。しかし本格的に使い始めたのは、AppSuiteとの連携が始まってからです。申請した書類をAppSuiteで作成したアプリで一覧管理できるようになったことで、一気に利便性が上がりました。例えば、資格試験の申込申請があるとします。ユーザーから申請が上がったら、AppSuiteに申請一覧が上がってくるので、その一覧データをCSV形式で抽出します。そのCSVデータを使って、簡単に資格試験の申込サイトにアップできるようになりました。つまりデータの二次利用ができるようになったわけです。

desknet's NEO導入以前はどういう運用をされていたのでしょうか。紙の様式を使用されていたのでしょうか。

Wordで作成した文書を印刷して回覧し、上長が印鑑を押して承認を行うという形でした。
現在では170種類の申請書類をAppSuiteで処理するようになったのですが（2023年12月時点）、休暇申請のような人事や総務関係のものだけでなく、事故報告や口座開設の確認などのような業務申請も多く取り扱うようになりました。お客様に記入いただくような重要書類、例えば、通帳や伝票などは総務部が一括で管理しています。これらの書類が減ってきたら、各営業店から補充申請がAppSuite経由で上がってくるようになりました。その結果、業務効率が上がったのと同時に、ペーパーレス化にもつながり助かっています。

これまで私たちは別のシステムを利用していたのですが、販売終了をきっかけに2023年4月にdesknet's NEOに入れ替え、これからまさにワークフローの活用を目指しているところです。ちなみに導入当初はスケジュールや回覧・レポート、設備予約を使うところから開始し、今は「ToDo機能」や「ワークフロー」の一部を使い始めたばかりです。

私どもでは以前、使用していたグループウェアを継承しつつ、desknet's NEOで各部署の申請書も処理するようになりました。社内の申請書類はポータルに掲載しており、文書管理ではリンクを貼ることができるのでこちらも利用しています。

新潟信用金庫様、横浜信用金庫様ではかなり活用されているようですが、desknet's NEOを使用する際、ユーザーにどのような形で使い方を浸透させているのか教えていただけますでしょうか。

担当部署に質問した方が早そうなことに関しては、高い頻度で問い合わせが来ます。しかし直感的に使えるツールなので、時間がたてばたつほどユーザーたちが慣れてきて問い合わせが減ってきています。ただ、「ワークフロー」の機能を使用するときには、本部内で勉強会を開催しました。この勉強会はdesknet's NEOの使い方を説明するのではなく、これまで紙ベースで運用されていたものがDX推進の一環でシステムに変わりますという内容でした。ちなみにdesknet's NEOの使い方に関してはこれまで大きなトラブルは起きていません。

当信用金庫では、それぞれ営業店に最低1名のPC担当責任者を配置しており、その担当者に本部まで出向いてもらってシステムについて説明しました。
またそれと同時に、情報発信をする側のユーザーを対象に「情報発信の仕方」に関する勉強会を1回、実施しました。desknet's NEO導入後は、これまで事務連絡をメールで全員に一斉送付していたものをインフォメーションに変えるというところからスタートしました。いきなり全機能を使うのではなく、導入したばかりのころはインフォメーション、メール、設備予約と3つの機能から使用を始めて、運用しながら使う機能を少しずつ増やしていったという流れになります。

いきなり全機能を使用しない方が現場は混乱しないのでしょうね。なるほど、よくわかりました。ありがとうございます。

これまでの事例を見ていくと、最初から全機能を活用しているケースはほとんどありません。desknet's NEOを現場に浸透させるためには、皆さまのように少しずつ使う機能を増やしていき、徐々に慣れていくというケースがうまくいっています。
ではdesknet's NEOの中で一番、利用頻度の高い機能はどれでしょうか？

私たちが一番便利に感じているのは、「回覧・レポート」です。ほかにも「スケジュール」や「ポータル」も活用しており、現状、ポータルのタブは5つに増えています。

導入当初、ポータルは「共通」と「個人」しかありませんでしたが、今は各課でポータルが存在している状態です。人事部や総務部などの部署別のポータルがあり、今は全部で5～6つまでタブが増えています。

部署ごと、営業店ごとにポータルを増やせるとは知りませんでした。2023年4月に導入したばかりなのでポータルはまだ「共通」と「個人」しか使っていないのですが、ポータルはいくつまで増やせるのでしょうか。

上限の制限はありません。またユーザーごとにどのポータルを表示させるかについては管理者側で設定することが可能です。

ポータルには営業店がよく使用する書式についてのリンクをはりつけています。
さまざまな文書を文書管理に格納しているのですが、ユーザーがほしい文書になかなかたどり着かないと各部門の担当者に問い合わせが発生しています。そこで「事業性融資」や「預かり資産」、「預金管理」のように業務別にポータルを作成して、少しずつ情報をポータルに集約することで、必要な文書を見つけやすくなるような工夫をしています。

AppSuiteはdesknet's NEOと連携できる便利なノーコード開発ツールです。その利用状況や開発のプロセスについて教えていただけますか。

私どもではdesknet's NEOも含めると、全部で20のシステムを業務で活用しています。業務システムが多く存在するため、ユーザーがIDやパスワードを忘れてしまうというケースが発生します。そうしたときに1日に1件上がるかどうかという頻度ですが、「パスワードの初期化申請」が届きます。それを受けて、各システムの担当部門の方で初期化作業を行います。このような申請でよく使われており、大半はdesknet's NEOの「ワークフロー」と連携しています。desknet's NEO がAppSuiteと連携できるようになってから活用できる場面が広がりました。

私たちはAppSuiteでアプリケーションを作成するのにあたり、ネオジャパン様のアプリケーション作成代行サービスを利用させていただきます。有償ではありますが、業務の課題から実際にアプリケーションで解決することが可能か、というような初期の段階からオンラインでご相談し、アプリケーション作成を代行してもらえるので助かっています。

新潟信用金庫様ではAppSuiteを使って170ものアプリケーションを作成されています。
それらアプリケーションはシステム部門で作成されているのでしょうか。それともITに精通していない担当者様が作成されているのでしょうか。

紙の書類を電子化する際には、各部門からシステム部にWordで作成した書類を送付してもらい、開発依頼をしていただくような流れにしています。毎年、細かな修正依頼もあるので、システム部門以外、営業店の各担当者の方で作成や修正をしてもらいたいのですが、ワークフローの考え方や権限の設定など、システム開発をしたことがない担当者にお任せすると、運用後に不具合が起きる可能性があるので、現時点ではシステム部門が電子化を一括で引き受けるようにしています。
現在、作成したアプリがかなりの数になったので、desknet's NEOと連携しているものについては、組織ポータルや申請ポータルを用意して管理するようになりました。

横浜信用金庫様も新潟信用金庫様もAppSuiteを導入されているわけですが、一般的に導入件数は増えているのでしょうか。

導入は進んできていますが、全体を見るとまだ一部という印象です。しかし導入いただいた企業様ではしっかりと活用されているというお話をよく伺います。

新潟信用金庫様にご質問なのですが、170ものアプリケーションを作られたのはペーパーレス化を目指されていたからでしょうか。

ペーパーレス化も目的の一つでした。ほかにもデータの二次利活用も重要視しています。AppSuiteではアプリケーションに蓄積されたデータを集計して、グラフ化する便利な機能があります。それら機能を使って、一部のアプリケーションでは年度別や月単位で集計しているものも。例えば、先ほどご紹介した「パスワードの初期化」の場合、どの部署、どのシステムでどれくらいの頻度で申請が発生しているのかを円グラフにして情報共有するケースもあります。

やはりワークフローの活用だけでなく、AppSuiteを使った方が効果的なのでしょうか。

当金庫の場合は効果的と捉えています。具体的なイメージをお伝えしながらその理由を説明しますと、AppSuiteがあれば、ワークフローの画面の中に紙申請書に似せたデザインのアプリケーションを埋め込むことが可能だからです。「ワークフロー」だけでは作れない、紙に似せたデザインで作成できるので、ユーザーにとっても使いやすいという利点があります。また、申請結果が一覧で確認できるのも利点です。

なるほど、「ワークフロー」だけではできないことが実現できるということなのですね。
よくわかりました。ありがとうございます。

「ワークフロー」は決まった場所にしか項目を配置できませんが、AppSuiteを使えば、レイアウトの自由度が上がります。紙の申請用紙を電子化する際にフォーマットを崩したくない、という場合にはAppSuiteが便利と好評いただいております。

「ワークフロー」や「回覧・レポート」は大変便利な半面、レポートの通知先に一人ひとりの連絡先を選べるような作りになっています。通達内容によっては、部長や課長だけとか、組織の構成とは違うチームで回覧したいケースがあるので、インフォメーションのように通知先にロールが指定できるようになるとありがたいです。また、既存のロール同士を組み合わせて、新たなロールを作成できる機能がほしいと思っています。例えば既存の課長ロールと部長ロール、役員ロールを組み合わせて、課長以上ロールを作成できるような感じです。権限の組み合わせができるようになるとより便利になりますね。

ロールの組み合わせで「回覧・レポート」を回す。これまでになかったアイデアなので目からうろこでした。ぜひ開発の方でもこのアイデアを取り入れられないか検討をさせていただきます。最後に皆さんからの本日の感想をお聞かせいただけますでしょうか。

前回に引き続き、第2回のユーザー意見交換会にも参加させていただきました。実際にいろいろと使い込んでいるユーザーさんから直接、お話が聞けたのはとても有意義でした。今後もdesknet's NEOの利活用のためにユーザー同士連携させていただきたいです。貴重な時間をありがとうございました。

いろいろと皆さまの話も聞けましたし、当金庫からの要望もお伝えできたので良かったです。

今回、初めてユーザー意見交換会に参加させていただきました。ユーザーの皆さまから活用方法を伺って、まだまだ自分たちの活用が進んでいないという状況が把握できたのは良かったです。使い方はもちろん、システムを作り込むうえでの考え方などの話も聞くことができたのは大変、有意義でした。今後は本日のお話を参考にしてどんどん活用していくことで、システムを金庫内に浸透させていきたいです。

横浜信用金庫様、新潟信用金庫様が既に導入されているAppSuiteの導入も検討させていただきたいです。本日はありがとうございました。