兵庫県神戸市役所
様の導入事例
ICTで行財政改革に挑む職員たちの働き方をポジティブに変える。2万人の情報共有から、新たな市民サービスの拡充がはじまります。
兵庫県の県庁所在地であり、政令指定都市でもある県内最大の市、神戸市は人口約152万人、全国第7位の規模を誇る大都市です。
市政を担う兵庫県神戸市役所様も、職員数21,036名(2020年4月1日現在)におよぶ大組織。長年庁内イントラネットを活用してきましたが、情報共有の観点からは改善したい点も多く、全庁へのグループウェア導入を決定。desknet's NEOとChatLuckを全職員向けに導入しました。2万人の大組織における情報共有の取り組み、グループウェアとビジネスチャットツールの活かしかたについて、お話をうかがいました。
desknetʼs NEOイメージキャラクターの松尾依里佳が、あなたの会社や学校などに訪問して、desknetʼs NEOの利用状況をレポート。
効果的な情報共有をめざして、旧来の庁内イントラネットを見直し。
2万ユーザーの活用に適した、グループウェアの導入を決定。
兵庫県神戸市役所様では、もともと庁内のイントラネットのサイトを用いて、情報発信や情報共有が行われていました。どちらかといえば、全庁告知を中心とした、一方向の情報発信に用いられることが多く、双方向の情報共有には不向きだったようです。
「以前は、所属の部門を超えたスケジュールの共有などが難しく、ミーティングの調整にもたいへん手間取っていました。庁内の会議室、備品の管理も紙で行っている部局が多く、全庁的な空き状況の把握、参加者の予定調整、会議室の予約など、すべてに手間と時間がかかっていました」
結果として、メール、電話、FAXが主なコミュニケーション手段として定着したままとなり、社会全般で働き方改革が進む中、職員間でも組織の情報共有の実情に対する危機感や「改善すべき」という声が挙がっていたそうです。
「かつては、閉庁の17時30分までは窓口業務など市民のために時間を使い、あとの事務処理は残業をすればいいという考えもあったようです。そういう考え方は根底から見直していくべきだし、そこでの体力や効率の低下は、結果として、市民サービスの低下にもつながってしまいます。すでに多くの職員が問題意識を抱えており、情報共有の改革に否定的な意見はありませんでした」
社会の需要も年年刻々と変わり、法改正などを通して社会福祉の需要も拡大。窓口業務に携わる職員が勤務時間内に実務を完遂することの難しさや、人材不足など多くの課題も抱えていました。
ICTの活用による庁内改革の推進役でもあった企画調整局情報化戦略部では、情報共有の改革によって全庁的な業務改善を図り、職員数21,036名という大組織の情報共有の速度や連携を改善するために、グループウェアの導入を決定します。
ユーザーの使用感や管理作業のしやすさをテスト環境で検証。
直感的でわかりやすいUIを評価し、desknet's NEOを正式採用。
2万人の職員数。それぞれの事業における専門領域も異なるため、デジタルツールの活用スキルや習熟度も一般企業のように平均化されていないのが市役所の現状です。
製品選定に際しては、グループウェアとしての基本機能に加え、未来へ向けた職員ポータル、コミュニケーション基盤としての発展性にも期待し、10製品近くが事前調査の対象となりました。
「各種機能の使いやすさや、利用状況に応じて活用度を高められる運用のしやすさなど、グループウェアの基本機能をしっかり評価すると共に、当初より利用推進にチャット機能を活かしたいという意向がありました」
チャットに着目した背景には、市役所からの任命で派遣された民間企業で、スピード感を持ってチャットを活用しビジネスを成功に導く事例が参考になったそうです。
「チャットのSNSサービスは多くの職員がプライベートで利用しているので、グループウェアにチャット機能を加味することで活用推進につながると考えました。活用のアイデアは担当部署の上長はもちろん、久元喜造神戸市長からも賛同を得られました。
ネオジャパン社のdesknet's NEOは、基本機能やポータル活用の発展性に加えて、ビジネスチャットツールのChatLuckでシームレスな連携がとれ、セキュリティを確保しながら職員が安心して活用できるのが魅力でした」
desknet's NEOのグループウェアとしての基本機能とポータル活用の可能性。全庁の情報共有を活性化させるChatLuckへの期待。さらにコストパフォーマンスなどを加味して、両製品の導入が決定します。
「“優れた機能をより安価に”という意識はつねにありますが、効果が上がらなくては導入する意味はありません。その点desknet's NEOとChatLuckは、すでに自治体や民間企業での採用も多く、豊富な活用事例で実績を評価できたのも製品決定に役立ちました」
導入プロセス
スモールスタートによる活用(1年)
1,000ユーザーのスモールスタートによる活用を約1年実施し、全庁展開における利活用の手法を検証。
製品検討・調達(6カ月)
コスト、機能、運用すべてを総合的に評価する入札方式により採用。
全庁稼働
利用推進のキーマンとなる、部局の総務担当者を対象に、desknet's NEOの基本機能と活用法、管理設定や運用手法など二部制の基本研修を実施。全庁本稼働へ。
desknet's NEO+ChatLuckの相乗効果で、システムの庁内利用、利用活性化に成功。 ポータルの定着で多様な業務に対応し、コロナ禍の緊急対応、出庁制限にも対応できた。
1)ガバナンス共有と同時にChatLuckの自由な活用を奨励。desknet's NEOの定着につなげた。
全庁導入に際しては、東芝デジタルソリューションズ(株)の協力で研修を実施。全所属の総務担当者が機能管理者として任命され、利用推進のキーマンとして各部局での運用サポート役を担いました。情報発信のルールなど運用上のガバナンスを全庁共有したうえで、[スケジュール][設備予約(施設備品予約)] などは各部がそれぞれ活用しやすいルール設定で運用を活性化できるように配慮。一方で、ChatLuckに関しては、自由な発想で活用できるよう、気軽な送受信を奨励したそうです。
「公務員は脱線することはちょっと苦手なんです。ChatLuckは、どんどん活用してこそ効果が現れるモノなので、あまりかしこまらず、“決して相手に失礼にはならないので、上長にも堅苦しい挨拶文なしで自由な発信を”“送ったあとにも電話をかけたりしないでいいですよ”など、職員が気になりそうな部分を事前にフォローしておきました。情報化戦略部がそんな使い方を奨励して、気軽に自由に使える空気を醸成していったのです」
そんな取り組みが功を奏して、まずChatLuckの活用が庁内に拡がり、相乗効果でdesknet's NEOの活用も定着していきました。
「ChatLuckは想像以上に活用度が高まり、部署ごとのプロジェクトや事業案件ごとに何か取り組みがあれば、まずはルームを開設してリアルタイムのコミュニケーションを円滑化するという流れが定着しました。現在すでに6,000ルームを超えています」
次第にdesknet's NEOの各機能も定着。導入以前の課題となっていた[スケジュール]共有に関しても、所属部署を超えた共有・管理が定着し、FAXや内線の利用も削減されていきました。
さらに、[設備予約(施設備品予約)]で全庁の会議室が管理できるようになり、稼働状況の全庁把握で、予約重複や不要な空きを防ぎ運用の効率化が実現しました。
また、庁内で習慣化していた紙のメモによる伝達も、個人情報保護、情報管理の観点から[伝言・所在]へ移行するようになりました。
2)コロナ禍で出庁職員7割減の対応を実現。緊急時対応の教訓として活かされる。
久元市長や3人の副市長も[電子会議室]、[インフォメーション(掲示板)]を通して庁内に向け自身の考えや所信を表明。タイムリーにトップの思いを共有でき、[電子会議室]は意見交換も可能なことから職員と上層部の距離を近づける効果にもつながっているようです。
「以前はイントラネットで年に数回トップが発信していたものですが、ステージをdesknet's NEOの[電子会議室] 、[インフォメーション(掲示板)]に移行すると、市長からの発信を共有する場として利用頻度も上がっていきました。現在は月2回ほどの頻度で施策検討、視察先で得られた報告や考えを職員に伝え共有するために活用しています。市制施行から150年の歴史もあり、視察で巡れば気になる課題も多々見つかるので、市長自らそれらの事案を発信しつつ、職員全体に“街に注意を向け、是正すべき市政課題はないか”注意喚起や提言を行っています」
時には、市に寄せられた市民からの感謝やねぎらいの言葉などが、市長を通じて職員に伝えられることも。
「たとえば防犯や安全への配慮で新設した外灯へ、市民から感謝の言葉が寄せられ、市民の声に応え、職員が対応したことへの評価が市長経由で全庁に告知されたこともありました。
こういったことは、職員にとって大いに励みとなり、職員全体のモチベーションや意識付けにもつながります」
desknet's NEOはこの度のコロナ禍においても活かされました。
「窓口業務など出庁しなくては対応できない職務を除き、7割の職員の出勤抑制を目標にテレワークを導入しました。在宅勤務時にセキュアな環境で仕事ができるネットワーク端子を増設し、持ち出し申請と管理を[ワークフロー]で行いました。[スケジュール]をはじめとする各種機能も活用しながら、テレワーク化を推進できたのは、すでにdesknet's NEOの活用が定着していたからです」
「[ワークフロー]は国や県、市民からの問い合わせに対する「照会・回答事務」にも用いられています。保険、年金など財産に直結する回答等、内容によってはセンシティブなものや重みがあるものもあり、職員も曖昧な回答で誤解を与えぬよう、部内で複数の眼を入れて予防策をとっています。市民の不利益につながらないよう緊張感をともなう書類や法的な根拠に基づく業務上の手続きなどでスピーディな判断を求められる際に[ワークフロー]を活用しています」
3)職員の想いを共有し、行財政改革へ向けた意識醸成の基盤としても活かす。
desknet's NEOの各種機能活用と同時に、共通ポータル上には、特に利用頻度の高い業務システムのアイコンが設置され、活用頻度の高い業務システムにアクセスできるようになっています。
「共通ポータルには、現在、[電子決裁][財務会計] [庶務事務][共通物品調達]の各システムのアイコンを設置しています。
朝、出庁後にログインしたら、シングルサインオンでdesknet's NEOの[スケジュール][掲示板](インフォメーション)などをチェックし、そのまま各業務システムも活用できるという流れです」
[電子決裁] [庶務事務][共通物品調達]の3システムについては、ネオツイで新着通知も表示。ポータルを発展させることが、グループウェアの基本機能に加え、業務全体の効率化につながる多様なシステムを活用するための基盤となっています。
神戸市役所では2020年10月に5年間の行財政指針をかかげた『行財政改革方針 2025〜変化を捉え、果敢にチャレンジ〜』を発表。行政業務のスマート化、スリム化などの改革と同時に、今まで手続きのために市庁舎や出張所に出向かなければならなかった各種行政手続きをデジタル化するなど、市民の行政手続きや行政サービスの改革を進めています。2025年までには約1,000種類、年間処理件数230万件におよぶ行政手続きのうち、約7割の電子申請化を計画。他にも庁内の様々な業務や働き方を見直し、ポストコロナの時代における、理想の行政サービスのあり方、市民サービスの提供を目指しています。
「たとえば[電子会議室]で業務改善案を募ったところ、膨大な数の意見や改善案が全庁から寄せられました。有意義な提案や意見も多く、今後の業務改善の“原石”として利用しています。desknet's NEOとChatLuckは、市民サービスの向上や行財政改革へ向けた問題意識や課題改善に取り組む職員の意識を醸成する場としても、今後さらに役立てられていくと思います」
ご担当者のコメント
事業概要
兵庫県の県庁所在地であり政令指定都市。人口約152万人の県内最大の市。阪神・淡路大震災の被災から25年を経て復興をとげ、次世代へ向けた施策として「若者に選ばれるまち」「誰もが活躍するまち」を目指して、住みやすい社会システム作りを推進中。自然との調和の中で企業やクリエイターの進出をサポートする都市型創造産業振興事業「六甲山上スマートシティ構想」などの企業誘致、雇用創出事業に取り組む。
導入サポート企業
東芝デジタルソリューションズ株式会社は、長年に渡り、官公庁・自治体のお客様をICTで支援してきました。その経験を活かし、株式会社ネオジャパン様と「desknet's NEO.Gov」を共同開発、LGWAN-ASPとしても提供し、全国のお客様にご愛用いただいております。
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電話でお問い合わせ
平日9時 - 12時 / 13時 - 18時
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全庁的なICT活用で働き方改革を推進する中心的な役割を情報化戦略部が担っていますが、desknet's NEOとChatLuckは、その一連の取り組みの中でも、目に見えて職員の行動や意識に大きな変革をもたらしたツールだと思っています。この度の導入と活用展開を機に、さらに止まることなく活用を拡げ、今まで以上に職員の業務を効率化し、結果として行政サービスを向上させるための大きな武器として活用していきたいと思っています。
desknet's NEOの活用推進と並行して、庁内のペーパーレスの業務も担当しています。グループウェアの活用によって、情報共有の効率化と同時に庁内のペーパーレス化も着実に進んだと思っています。今後、庁内で活用手法について相談を受ける際には、より効果的な機能活用を通して、業務改善を実現できる手法を共に探っていきたいと思っています。