株式会社大垣書店
様の導入事例
2017年、創業75周年を迎える株式会社大垣書店様。京都北大路烏丸に創業し、地域に根ざした街の書店として、京都を中心に35店舗を展開しています。
かつては店舗の1日の売り上げや業務報告を行う営業日報をファクスで本社に集め、ダイジェスト化して全店に配布してきました。しかし、出店数の増加とともにファクスの量も膨大となり、全社共有するまで時間がかかりすぎることが課題となっていました。
その対策としてdesknet's NEOを導入。営業日報の提出・共有を[回覧・レポート]に移行し、日々の売り上げの集計・把握の迅速化、全店舗の情報連携などのすべてを実現します。
もともと情報発信力の高い書店員の皆さんだけにdesknet's NEOの定着も速く、魅力あふれる書店の売り場づくり、販売促進企画などに成果を上げています。
大切にしてきた営業日報を迅速に集約。35店舗の情報連携も実現したかった。
── 学問・哲学、仏教の都だけに、京都創業の書店には格別なイメージを抱きます。
創業以来、京都在住の学者や研究者などの文化人、教育関係者、仏教や伝統文化に携わるお客さまが多く、人文科学系の書籍には力を入れてきました。何より文化や読書を愛する京都の皆さまに支えられて店舗数も35店舗までになったのだと思います。地域に根ざした「知の拠点」として、愛される街の書店の魅力づくりを大切にしています。
── グループウェア導入の背景には、どのような課題があったのでしょうか?
各店舗の営業日報の提出~内容確認〜共有までの手順を迅速化・効率化することでした。
かつて先代の社長が各店からファクスで送られてくる営業日報に目を通し、書店員から報告される店舗内の出来事やお客さまの声など、重要と思われる情報を自らまとめて全店舗に配布していたそうです。当時は店舗数も少なく、売り上げの数字からは見えない現場の空気感を共有する手法として大切にしていたんですね。
やがて、各店が共通のフォーマットに記入した営業日報をファクスで本社に送信し、重要情報をダイジェスト化して全店舗に配布・共有するという手法に変わりました。それも、店舗数が急増していくと、ファクスの量が増え、集約するのに時間も手間もかかるようになりました。全店で共有するまでに3~4日かかったこともあったのです。
── 営業日報にはどのような情報が集められていたのでしょうか?
店舗の売り上げ以外にも、セールス上重要な情報が集まるようになっていました。各店長のコメントや店舗からの報告、売れ筋商品ランキング、どのような商品・書籍が急に売れ始めているかなど、書店員ならではの直感が活かされた販売促進に直結する有益情報が日々上がっていました。
特に商品の動向は重要で、ある店舗で特定の書籍が「急に売れ出した!」という報告があれば、本来ならすぐ各店の必要部数を確認して速やかに追加発注をかけたいところです。店舗情報の共有にタイムラグがある状況では、せっかくのセールス・チャンスを逃してしまうおそれもありました。
そんな状況を見かねた社長が「日報の情報をリアルタイムで全店共有し、売り場で活かせる手法を考えよう」と提言し、新たな管理システムを検討することになったのです。
「本屋の感性を活かせる」。書店経営者の視点でdesknet's NEOを採用。
── そこでグループウェアの導入を検討なさったのですね。
当初からグループウェアに限定していたわけではありません。現社長が、「日報を管理・共有できる何かいい方法やシステムはないか」と地元の経営者の会合で話したところ、同じ京都で楽器・CD販売を手がける著名な企業経営者の方からおすすめいただいたのがdesknet's NEO(当時は旧desknet's)だったのです。すでに、その方の会社では導入しており、利用上の評価も高かったのがきっかけとなりました。
実際に活用状況を拝見して、良い感触を得たようです。「書店員の実務に負担をかけず、各店の状況を共有するのに適している」と書店経営者の視点で感じたそうです。
desknet's NEO(旧desknet's)を導入した2003年は同時期にメールも導入しており、情報共有の環境が一変した年でした。導入前に競合製品との比較検討も実施したようですが、信頼のおける知人経営者の活用実績や各種機能の評価が高かったこと。店舗間でリアルタイムに情報のやりとりや共有ができ、シフト勤務のスタッフがパソコンを共用している店舗の実情にあっていること。新規出店にあわせてユーザーアカウントを積み増せるところなども、社内で評価されました。
desknet's NEO採用の決め手となったのは
・懇意にしている企業経営者の評価・事例を見て
・機能が使いやすく、多忙な店舗の社員に負担がかからない
・新規開店時にもすぐ利用開始でき多店舗展開の事業に最適
・店舗の共有パソコンでも複数のユーザーが利用できる
・イニシャル&ランニングコスト
── 導入後、ユーザーへの社内教育は行われましたか?
まずはdesknet's NEOの機能で情報を共有し、活用しながら実践的に利用浸透を拡げました。最初は営業日報を移行した[回覧・レポート]を活用することから始め、現在は各店の店長や社員が、新しく入ったスタッフに「この処理はこうするんだよ」と現場で実用上のレクチャーをするだけです。集合研修は行わず教育コストもかけていません。
desknet's NEOのリアルな情報共有が書店の魅力づくり、販売促進に貢献。
── はじめに営業日報を全店舗に展開する際、特別な工夫はなさいましたか?
以前の書式項目をそのまま [回覧・レポート]の書式として用意しました。ファクス送信の手間もなくなり、短期間で活用も定着したようです。現在では各店舗の1日の売り上げ、店長コメント、1日の出来事、来店客数、部門別の売り上げ、本やCDの売り上げベスト、注目すべき商品など、日々の営業に役立つ報告が全店で確認できるようになり、他店の状況もわかるようになりました。書店経営にとって重要な「数値・情報・報告」の3要素がその日のうちに共有できるようになった効果は大きいですね。
── [回覧・レポート]の活用で得られた効果についてお聞かせください。
各店の1日の売り上げは本社が最も気にしているところですが、[回覧・レポート]の活用で、すぐに集計できるようになりました。
店舗における製品の売り上げ動向も、「今まさにこの瞬間に売れているよ」という旬の商品情報が [回覧・レポート]でまず共有されます。その後、全店舗の売り上げ情報を基幹システムに集約。テクニカルな売り上げ分析から、大垣書店グループ全体で売れている商品を部門別に検証しています。一連の作業がファクスの時代には考えられなかったスピード感で実現できるようになりました。
相互にコメントも交わせるので、他店の日報で気になるところを直接問い合わせたり、営業成績が良い店舗にメッセージを送る、逆に課題を抱えている店舗をフォローするなどのコミュニケーションが本社や店舗相互で交わされるようになり、店舗全体のモチベーションアップにもつながっています。
── 営業日報以外で[回覧・レポート]が役立ったことはありますか?
本社商品部による商品の発注・仕入れ効率が向上しました。仕入れた商品の希望部数を各店に確認して割り振ったり、急に売れ始めた商品の案内、品切れ人気書籍の緊急重版情報なども[回覧・レポート]で迅速に全店舗に告知し、店舗からも速やかに希望部数などの要望を返せるようになりました。店舗が商品を的確に確保しセールス・チャンスを逃さないためにもたいへん重要なことです。
── 新たな機能活用も展開なさっているとか。
申請書類は数が多く、経路の複雑化で承認時間がかかる書類も増えてきたため重要な書類から優先的に[ワークフロー]へ移行しています。特に効果があったのは「JANマスタ登録の申請」で、今まで各店舗でやっていたレジスターに値段表示のコードを読み込む作業をグループ一括で行い、販売部門と全店舗で一元管理することに成功しました。desknet's NEOに新たに加えた申請書は、月2回の店長会議で告知しています。
[スケジュール]は多くの社員がシフト勤務の当社には本当に便利で、店長会議の予定も即決できるようになりました。出店している施設やテナントごとに定休日も異なるため、以前は連絡を取り合うにも苦労していたのです。[設備予約]も併用して、会議室も同時に押さえています。
── 書店員さんならではの感性を活かした活用手法もありそうですね。
[ネオツイ]のつぶやきは、書店員の直感やメディアで入手したセールスに役立ちそうな気軽な情報共有の場として盛り上がっています。営業日報がオフィシャルだとすれば、こちらはもう少し自由な「売り場で役立つかもしれない」情報が集まるところですね。
例えばメディアでアイドルが愛読書を取り上げ、著名人が書籍や映画、音楽などについて熱く語れば、翌日関連商品に必ず動きがあるのです。著名な作家や芸術家へのインタビュー、受賞、訃報などのニュースも影響があります。それらの情報からお客さまの購買行動を予測し、在庫確認、店内の本の配置など、販売促進に役立てているのです。
また、毎年クリスマスに、ご購入いただいたプレゼントをサンタクロースに扮した社員がお届けする「サンタデリバリー」というサービスを行っています。その際 [設備予約]を活用して、お客さまのご要望時刻を迅速に予約できるようにしています。空き状況がすぐわかり、オーバーブッキングも予防できるのがいいですね。
── とても心温まるサービスですね。最後にdesknet's NEOが書店業務に与えた効果についてお聞かせください。
営業日報を[回覧・レポート]に移行したことで、売り上げなどの数値の集計や速報が全店で把握できるようになったのは大きな効果ですね。
その一方で、書籍はいつどのタイミングでお客さまがお求めになるか予測しにくい商品でもあります。基幹システムの数値データを見るより、むしろ各店のスタッフが[回覧・レポート]や[ネオツイ] のつぶやきで公開する「商品が動いている理由」などの直感的な予測や考察のほうが信憑性も高く、早期の商品確保につながっていることも多いと思います。
システムがはじき出す最新数値データと書店員の経験値からくるリアルな感覚を融合して活用できるのがdesknet's NEOの面白いところですね。
今までは店舗と本社という関係性だったところがdesknet's NEOによって本社と全店舗の連携へと変わり、経験豊富なスタッフ間の交流から、さらに魅力あふれる書店づくりのアイデアが生まれてくると思います。
── 皆さんの活用手法に触発されました。貴重なお話をありがとうございました。
ご活用中の機能と使い方
お話をうかがったご担当者様
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専務取締役・ギャラリー北大路 館長 大垣全央 様
営業日報を[回覧・レポート]に移行したことで、組織の実像もいっそう見えやすくなりました。経験豊富な書店員の知識をdesknet's NEOで共有しながら、さらに魅力あふれる「売れる書店」づくりを目指していこうと思います。
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営業本部 店舗運営部 店舗統括マネジャー システム担当 伊藤義浩 様
もしdesknet's NEOが急になくなったら、本当に困るでしょうね。それを最も実感しているのが店舗スタッフなのかもしれません。店舗間の連絡、連携もしやすくなり、販促活動や店内イベントの企画・運営の経験もナレッジとして共有されています。今後さらに多くの機能が現場で役立ち、活用できるよう、ユーザーとともに考えていきたいですね。
desknet's利用環境
- 製品名
- desknet's NEO
- ユーザー数
- 90ユーザー
- 導入時期
- 2003年
事業概要
- 企業名
- 株式会社 大垣書店
- 所在地
- 京都市北区
- 創業
- 1942年7月
- 事業内容
- 雑誌・書籍、CD・DVD、文房具・雑貨の販売、カフェ、ギャラリーの運営。京都を中心に35店舗を展開。2011年全国地域書店の経営を支援する新会社(株)大田丸を同業3社と設立。出版事業の展開、絶版書籍の限定復刻、在庫確認アプリの提供、インターネット注文への対応など、ネット社会における書店の新たな価値創出に取り組んでいる。
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