ナトコ株式会社
様の導入事例
AppSuiteをAPIで外部システムと連携。
経理、総務業務の徹底した自動化で業務負担を大幅に軽減
ナトコ株式会社様は、1948年に名古屋市で創業。時代のニーズをいち早くキャッチしながら、ユニークな発想で新たな塗料を生み出してきました。さらに、これまでにない全く新しい表面を創造する「リノベーション&イノベーションカンパニー」へと変革し、世界のサプライチェーンから「なくてはならない存在」であり続けることを目指しておられます。
ブロードバンドが登場したばかりの1999年にいち早く社内ポータルサイトのサービス利用を開始。これまでも社内の情報を集約し、ユーザーが使いやすい環境を整備し続けてきた同社の経営管理部 情報システムグループ・水野敦之マネージャーにインタビュー。desknet's NEOを導入した経緯やAppSuiteのAPIを使用して外部システムと連携した活用法について話を伺いました。
<お話を伺った方>
重要な情報を集約するのはもちろん、ITに詳しくない部門でも運用でき、
長く使い続けられるグループウェアを探していた
1999年、ADSLが登場し、世の中がブロードバンドに注目していたころ、ナトコ株式会社様は時代に先駆けて、社内ポータルの仕組みを導入し、運用していました。「Natoco Intra Site」を略した「NAIS(ナイス)」の愛称で長年、社内で親しまれてきました。これまではオンプレミスのポータル上で、自社でアプリを開発し運用してきました。情報システムグループの水野敦之マネージャーは、JavaScriptをベースにアプリを作り続けていたが、次世代の情報システム担当に全てを引き継ぐ難しさを感じていたといいます。
「グループ会社など子会社からの利用も視野に入れていたこともあり、クラウドで良いツールがないか探していました。何らかのコードを書いてアプリを開発すれば、細かいところまで制御できるというメリットはあります。ですが、コードを書くことを重視していたわけではありません。それよりもIT知識があまりなくても誰でも運用ができ、長く使い続けられるツールであることが外せませんでした」(水野様)
誰でも運用しやすいということを重視していたものの、一方である程度、納得できるカスタマイズ機能は必須要件と捉えていたといいます。グループウェアを探し始めたとき、ノーコードの業務改善アプリが作れるAppSuiteのあるdesknet's NEOと出会ったこと、後に選んだことは必然だったと水野様は振り返ります。
「業務や人をツールに合わせるか、ツールを業務に合わせるかという観点でも、グループウェアにノーコードツールが含まれるdesknet's NEOは有用です。標準の機能を活用したうえで、不足があれば機能を追加・カスタマイズすればよいと考えます」(水野様)
導入ユーザー数の実績と歴史を確認し、継続性に期待できた。
「業務がわかればアプリが組める」AppSuiteも決め手に。
「他社のノーコード業務改善アプリも検討しました。ただ、他社製品ではコードは書かないけれど、プログラミングツール色が濃く、IT知識がない人が簡単に開発し、運用できるかという点では、ハードルが高いように感じられました。それに対し、AppSuiteはノーコードというよりも『業務がわかればアプリが組める』、という印象でしたので、情シスだけでなく担当部門でのアプリ運用にも繋げられそうだという期待がありました。他にもノーコード・ローコード専用ツールという選択肢も考えられますが、それらの多くはあくまでデータベースであり、当社が求めるグループウェアやポータルとして不向きではないかと思いました」(水野様)
また、グループウェアでポータルサイトとして使えるツールは多く出ていますが、機能以外にも重視したのは“製品の継続性”だったといいます。というのもせっかくツールを導入して運用したとしても、導入した製品が販売されなくなり、アップデートされなければ、システムを維持・継続するのが困難になってしまうからです。ですからユーザー数やグループウェアがどれくらい使用されているのか、desknet's NEOの発売元であるネオジャパンの歴史についてもチェックしたそうです。 ※参考:評価と実績
「良い製品が出て、テレビCMも打ち出されている。でも気が付いたら、3年でサービスが終了してしまうということでは困るのです。私が定年を迎えた後でも、使い続けていられるくらい、製品が多くの人に愛され、継続できる製品かどうかという点については重視していました」(水野様)
他社製品を含めて、半年間、比較検討した結果、desknet's NEOとAppSuiteの導入を決定。ナトコ様の従業員数は250人前後、グループ全体で350人ほどの規模ですが、他社製品では中小規模向けと大企業向けに製品が分かれている点もネックになったといいます。従業員数が増えると、使用する製品を変えなければならないとなると手間も費用もかかります。その点、desknet's NEOは少人数から多人数まで対応できるシンプルさがあります。それにAppSuiteを含めても、他社製品よりも利用料がリーズナブルということもあり、2018年11月desknet's NEOの導入に至りました。
導入プロセス
グループウェア「desknet's NEO」、AppSuiteに出会う。
2018年5月:体験セミナーに参加
6カ月後に製品導入を決定。
2018年9月~10月:体験版を試用
2018年11月:50ライセンスで小規模スタートし、意見調整しながら環境構築
構築期間を経て、本格稼働。
2019年2月:本格稼働開始(250ライセンスからスタート)
電子帳簿保存法に対応するために、AppSuiteをデータの入り口として活用
1)[AppSuite] 経理に提出するファイルのフォーマットを統一し、正確性を担保
2022年1月から義務化された電子帳簿保存法。義務化される数カ月前、情報システムグループが社内の経理担当者にヒアリングを行い、現行の支払依頼書の運用を残しつつ、付随する証憑類を電子化して保存することになりました。
電子保存するうえで、検索と保存要件を満たすために、ある文書管理システムを導入した際に課題が1つ出てきました。検索機能は強力であるものの、検索にヒットさせるには日付・金額・取引先名などが正確に設定されている必要があります。それらの情報を利用者全員に、手入力で正確に登録してもらうのは現実的ではありませんでした。
そこで「みんなが使えて説明も最小限で済む場所」として、desknet's NEOをデータの入り口として活用することにしました。AppSuiteを使い『経理にファイルを転送するアプリ』を作成。支払依頼を行う各担当者は、アプリのフォームから請求書の日付、支払日、金額などを入力します。アプリでは取引先の会社名を会計ソフトの支払先マスタデータとCSVで連携し、表示されたなかから検索できるようにすることで、社名が正確に記録されるように工夫しました。これによって、誰もが同じフォーマットで証憑のデータを経理に提出できるようになりました。
「当社は10月決算なので、時期的に経理部門の十分な協力を得られる時期ではなく、また、画面の作り込みも含め、対応にかけられる期間は3カ月しかありませんでした。ですがAppSuiteの操作がわかりやすかったので、たった数週間でアプリを作ることができました」(水野様)
ちなみに『経理にファイルを転送するアプリ』の画面の下のほうはシステム欄になっており、経理に支払依頼書が届くと、経理担当者だけが入力できる枠が表示されます。アプリで支払依頼が届くと、経理担当者が内容をチェックし、ステータスを更新。経理担当者だけが一覧で処理状況も確認できるので、処理漏れや遅れがないことを随時確認できるようにもなりました。また基本的な業務フローを変更しなかったことで現場での混乱はなく、一方で紙の書類の電子化も実現できました。
2)[AppSuite] 外部システムとAPIでつなぐことで必要な機能を実現
「[AppSuite]からどうデータを取り出し、文書管理システムへ連携するのかと検討したとき、CSVもしくはAPIで連携する、いずれかの選択肢になります。なるべく現場の業務負荷を上げずに自動化したいため、APIでの実装を検討しました。まずAppSuite上のデータをAPIでGoogle Apps Script(GAS)を使って取り込み、そこから文書管理ソフトへファイルを送る形をとりました。」(水野様)
もう一つ、APIを活用したアプリがあります。インボイス制度開始前、経理から「手書き請求書」の扱いに関して相談がありました。顧客との取引は電子化されているものの、営業外の収入になるような場合などの「通常の処理に乗らない個別に発行する請求書」が存在し、部署ごとに異なるフォーマットで運営していることが判明しました。
そこで、個別で請求書を発行するときのために、『請求書代筆さん』というアプリを作成。これまで各自WordやExcelで作成していたフォーマットを統一しました。アプリの画面で入力した請求先や金額などを、APIで、Googleのスプレッドシート側に用意した請求書のひな型にデータを流し込み、PDF変換して入力した人宛に返信する仕組みを構築。各自で作成していた請求書についても、[AppSuite]で作成したアプリを通じて一元管理できるようになったのです。「運用していく中で、過去の申請書を再利用できる機能や下書き機能も追加しました。こういう変更がやりやすいのもAppSuiteの強みでしょうね」(水野様)
アプリの運用開始から7カ月ほどで700件もの登録があり、有効に活用されています。
3)[AppSuite]人事総務グループも社員もうれしい『マイ通勤方法』アプリ
経理以外にも、総務業務の効率化に貢献するアプリを[AppSuite]で作成したと話す水野さん。これまでは社員が引っ越しなどで通勤経路が変わると、Wordファイルに変更点を記載して総務部に提出していました。
そこで[AppSuite]を使って作成したのが『マイ通勤方法』アプリです。過去の記入内容が保持されているので、変更点を修正するだけで済みます。その際、履歴が残るため、総務担当は変更内容の確認が容易に行えます。通勤内容に変更が生じた場合、その旨を人事総務グループにメールで知らせる機能は、[AppSuite]標準の機能で実現しています。
「人事総務グループは、毎年8月に一斉で通勤経路や方法などについて変更がないかどうかについて社員に確認させていますので、社員が確認したかどうかチェックを入れるボックスを設けました。人事総務グループの担当者は社員の確認状況を一覧で見られる画面から、未チェック状態の社員に確認を促すだけ済むようになり、業務負荷も大幅に軽減されました」(水野様)
4)[ポータル]
「desknet's NEOには標準でいろいろと使える機能があります。特に[ポータル]は便利です。全社共通のポータルのほか、人事総務や経理といった主要な部門や会議体などが、それぞれの部署でポータルを運営しています」(水野様)
人事総務グループのポータルには私用車を仕事で使用した場合のガソリン代の精算単価や計算方法、健康診断など社内から問い合わせが多いものを選んで並べています。面白いものでは、社長カレンダーがあります。様々な人から「今日の社長の予定はどうなっている?」と質問されたときにすぐに回答できるようにするためです。また、運用のなかで想定外の良い効果もあったといいます。
「人事総務グループに聴覚障害のある方が居られますが、その方がポータルの作り込みをしてくれるようになり、画面を通じてサービスを提供する側に立ってくれるようになりました。desknet's NEOの画面は特別なIT知識がなくても、分かりやすい業務画面を作り込みやすいのが良いですね。会話による意思疎通が難しい方でも、画面を通じて業務の説明が可能です。多様な人の力を生かすことができることを知れたのは良かったです」(水野様)
ご担当者のコメント
事業概要
1948年に創業以来、時代のニーズを捉えながら、「ユニークな発想で新しい価値を創造する」という経営理念をもとにさまざま塗料を製造・販売。「ファインケミカル事業」「塗料事業」「蒸留事業」の3つの事業で展開しています。2012年には中国、その後、フィリピン、タイ、ベトナムなど海外にも子会社を設立し、国内外で活躍の場を広げています。「表面の進化」でよりよい社会をつくる会社、をビジョンに掲げ、100周年に向けて前進し続けています。
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利用者に対しては、「できる限り教育や説明なしに使えるツール」を目指しています。システムの中の人が工夫して仕組みを作ることで、利用者が苦労せず使うことができ、結果的に利用促進に繋がるのだと思います。また、最近生成AIが注目を集めていますが、チャット形式のコンシェルジュなどを搭載してくれれば、より便利になると考えています。会話形式で質問できれば、利用者も迷わないはずです。desknet's NEOには、これまで通り使いやすい機能を提供いただくとともに、蓄積されたデータをより広く活用できる仕組みの提供を期待しています。