仰星監査法人
様の導入事例
膨大な監査の所内事務手続き資料をAppSuiteで一元管理。
100時間の情報集約の時間と手間がゼロに。
・株式上場(IPO)支援業務
・ファイナンシャルアドバイザーサービス
・パブリック関連業務
・コンサルティングサービス
・国際・IFRS関連業務
・経営革新等支援機関関連業務
仰星監査法人様は、四大監査法人に次ぐ、国内でも有数の規模を誇る準大手監査法人です。ミッションとして、「最大でなく、最強を目指す」を掲げており、常に監査業務の品質向上に努めています。監査の品質向上および法人経営の合理化という法人の経営方針に呼応する形で、これまでIT利用環境のクラウド化を進めてきました。一方で、膨大な監査に関わる資料を全国にある本部を含めた4カ所の主要拠点ごとに管理していたことにより、情報の精度にばらつきがあり、各事務所への承認・監査状況の問い合わせにより、手間と時間がかかっていました。そこで、ネオジャパンカスタマーサクセス部の1on1個別相談会を活用し、約3カ月でアプリ画面を構築。1年かからずに膨大なデータをAppSuiteで一元化し、集約することができました。
情報システムの専門の担当ではなく、アシスタント業務を担当する現場の2名の担当者が、ノーコードツールでどのように改革を進めたのか。着手した背景、苦労や工夫した点、これからの展望などについてインタビューしました。
<お話を伺った方>
監査の所内事務手続き資料を集約し、提出するのに
膨大な時間と人手がかかり、業務を圧迫していた
監査法人は、企業の財務諸表の適正性を公認会計士が公正な立場でチェックし、内容に誤りや粉飾がないことを保証するという重要な役割を担っています。財務諸表は、企業の財務状況を報告する決算書類で、経営状況を示す重要なもので、投資家たちが投資するかどうかの判断材料にもなります。
仰星監査法人様は、260~270社もの企業の監査を行う準大手監査法人です。毎年、監査のルールはどんどん新しくなり、そのたびに迅速に準拠することが求められます。監査業務の正確性が求められるなか、これまで通りのやり方では立ち行かなくなっていたと話すのは、品質マネジメント本部長の川﨑理事です。
「監査の品質を保つためには迅速な情報の集約が必要不可欠です。これまでは各拠点にある事務所で監査書類などを管理していました。正式な書類が紙であることも多く、Excelで作成しても報告目的で管理していなかったのでそれぞれ手作業で集計をしていました。外部の規制当局の検査があるときには、通知を受けてから極めて短期間に何を聞かれても大丈夫なように書類を全国から集めます。大会議室が段ボールでいっぱいになるうえ、毎回、人海戦術で乗り切っていましたが、業務負荷も高く、改善の余地があると考えていました」
要件定義を決めるまでの手間、期間、費用
どれをとってもAppSuiteにかなうサービスはなかった
現在、仰星監査法人様では法人内の勤怠、経理、電子締結契約書など、監査をはじめ業務の遂行環境はクラウドへ移行しています。いずれクラウドサービスをまたがって、法人に関わる全情報を一元管理し、APIで外部システムと連携して情報の有効活用するための仕組みを作ることを目標にしています。
「AppSuiteを選定する前には、他社製品も検討しました。一般的にはシステムの統合や情報の一元管理を目的にERPシステムを利用することが大半です。しかし金融庁などの当局からの要求が変わり、監査法人が順守すべき基準や規則が変わるたびに、末端の様式を変えなければなりません。様式を変えるために、ERPでアドオンが必要になるとシステムにかかる費用も膨れ上がります。それにベンダー会社への依存度が上がってしまうので、それは避けたいところでした。次にスクラッチでイチからシステムを作ることも視野に入れました。ですが、ベンダー会社からは数千万単位の費用がかかるため、見合わないのでは?と言われ、ワークフローエンジンのあるサービスを使って行うことをおすすめされたのです」
そのアドバイスを受け、2015年に導入していたグループウェアdesknet's NEOを利用していたことから、AppSuiteを中心に情報の一元化を進めることにしたのです。そしてシステムで生成される情報を統合し、有効に活用できるよう法人業務のデータベース化を行う「S-CATSプロジェクト」が発足。このプロジェクトでは、一連の業務サイクルにおいて、法人として必要な情報である(顧客情報、契約情報など)を共有するためのデータベースを構築することにより、法人内の管理業務の効率化・業務品質の向上を目指すことになりました。
大がかりなプロジェクトになると想定されたため、新たに飯村様と清水様の2名がアプリ開発担当としてプロジェクトへ加入。エラーを出すべき箇所など業務理解が必要ということから、「業務に携わる人が作るシステムが良い」という情報管理室長の金子理事の方針のもと、改革を推し進めていくことになりました。
導入プロセス
ERPパッケージやスクラッチでシステム構築することも比較検討した後にAppSuite導入決定。
2021年12月1on1個別相談会で初回相談。
2022年2月までに個別相談を複数回実施。約3カ月でアプリの画面を構築し、最終仕上げが完了し検証を開始。2022年10月に社内にてリリースされた。
ノーコードで現場の担当者が業務アプリを作成。
数千万円のコスト・時間を削減、品質向上にもつながった。
1)Excelに手入力していた会社情報をマスタアプリから自動連携することでミスが激減。
AppSuite導入前には、本部を含めた全国4カ所にある拠点別に契約から監査までの書類をExcelで管理していました。それぞれの事務所で管理しているがゆえに書類の精度、品質にもばらつきがありました。
「監査が行われるたび、担当者がExcelに手入力していました。人間が毎回、入力するものなので、社名などに誤りがあることも。でも現在は会社情報登録アプリに登録された正しい情報を自動連携でき、入力情報の必須化やエラー表示も可能になり、以前のようなスペルミスも激減しました。その結果、膨大な書類チェックの工数も大幅に減り、法人全体の書類の品質も大幅に向上しました」
ほかにも、営業をかけて受注するまでの各ステップで承認やログを残さなければなりません。監査法人では監査先に提案書を展開する際にも、内部のチェックを受けて承認を得たものしか外に出せないのです。誰がいつどんな承認を出したのか、全てのログを追うのが大変でしたが、desknet's NEOの[ワークフロー]とAppSuiteの連携により、申請書類がAppSuiteのアプリに自動的に蓄積されるため、承認履歴の正確性も向上しました。営業活動詳細を記載する欄でも簡単に管理できるようになりました。
2)1on1個別相談会を活用し、やりたいことが実現可能なイメージへと変化。
IT専任担当でなくても、データ連携も組み込んだシステム化に成功。
監査前の契約に関する画面を作り込んだ飯村様は、「監査契約の画面については他のシステムと連携することを意識して作りました。作りたい項目について既存のExcelからまずは全項目を洗い出し。複数ある書類を比較して、連携する情報を階層別に検討。自動連携する際には何をキーとして照合させてデータを送り込むのか、送り込む際にはどうすれば、データを重複させないようにできるのかを検討していきました」と振り返ります。
そこで活用いただいたのが、ネオジャパンの1on1個別相談会です。実現したいイメージがあっても、どのようにシステム化していくか、というところで、Excelベースの仕様書をもとに複数回のディスカッションを重ねていきました。当初実現が難しいと思っていたそうですが、実現できるイメージをもっていただき、システム化をすすめていきました。マニュアルを申請書の書面に組み込むなど、現場の運用や業務を理解している担当者ならではの工夫も。情報を連携させるのは一苦労でしたが無事にやり遂げました。
3)100時間かかっていた情報集約の時間と手間がゼロに。
法人特有の業務改善にAppSuiteが役立った。
本部の品質管理チームでは契約から監査まで一連の流れにそって、「いつ、誰が、何を承認したのか。監査は順調に進んでいるのか」など常に品質管理チームがモニタリングしています。これまでは必要な情報があれば、本部から各事務所に問い合わせを行い、必要な情報を取得しに行くのが常でした。ちなみに情報を集約するのは各事務所につき1名の担当者ですが、紙やExcelで行っていた数百社の情報を取りまとめてExcelに転記していたため、AppSuite導入前までは書類提出状況表の作成に100時間前後かかっていたといいます。AppSuiteの自動処理機能※を活用し、申請が完了するとマスタアプリに自動的に書き込むことで、監査の所内事務手続き状況を見える化。「各事務所に問い合わせして情報を集約する手間と時間がゼロになり、品質管理書類の提出状況表作成までの業務負荷が大幅に改善されました(清水様)」
※参考:【自動処理のコツ】基本的な考え方と、複数の申請を1か所でチェックする方法
また、外部の規制当局の検査などがあったときには、必要に応じて即座に求められた書類を提出しなければなりません。検査の直前に連絡が入ると、各事務所に紙ベースでの書類送付を依頼して郵送してもらうので、本部にある大会議室には段ボール箱が山積みの状態でした。しかしAppSuiteでデータを一元管理できるようになってから、必要な情報を一瞬で取り出せるようになったうえ、検査期間中の書類の貸し借りもなくなり、業務が止まることもなくなりました。
「今回の取り組みで、システム開発など情報活用の基盤ができ、柔軟な対応ができるようになりました。実際、AppSuiteで作り上げたシステムの構築をSIerに依頼すると、数千万円かかっていたでしょう。費用だけでなく、開発時間もかかります。しかし現在は数週間もしくは1~2カ月という短サイクルでどんどん構築できるスキームが完成しました。経営上のコスト削減効果も大きいです」
2022年の10月リリース後には、年3回にフェーズを分け、開発案件をリスト化して改修し続けています。まだまだ課題はあるものの、継続的な改善と活用の段階までたどり着いており、今後はさらなる進化が期待されます。
仰星監査法人様では、紙やExcelで管理していた膨大な監査資料を、AppSuiteで一元管理し、業務改善することができました。書面にはユーザー目線の工夫があり、社内定着をスムーズに行うための、担当のお二方の苦労が垣間見えました。自動処理やアプリ連携も活用した、AppSuiteの先進的な活用事例です。
ノーコードツールは、コードを書かずに、業務理解のある現場の担当者自らが業務改善することができるツールです。実際に運用しながら、改善を繰り返すことで、より自社に合ったシステムが作れるのもノーコードツールAppSuiteならではの強みです。AppSuiteであれば、1on1個別相談会という支援体制が整っているため、安心して導入できるでしょう。
ご担当者のコメント
事業概要
国内で6番目の大規模監査法人。拠点は、東京、大阪、名古屋、北陸、福岡、広島、札幌。「公正と誠実を貫く」、「最大ではなく、最強」をミッションに掲げ、一人ひとりがプロフェッショナル意識を維持し、個性や強みを活かしています。「自由闊達なコミュニケーション風土」の中で、デジタル技術を駆使し、現場を大事にしながら成長を続けています。1990年に北斗監査法人として設立され、4度の合併を経て現在の形になりました。
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電話でお問い合わせ
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- 横浜本社 045-640-5906
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2015年からdesknet's NEOを導入・活用していましたが、文書管理やインフォーメーションなどの情報発信やカレンダーのような基本的な機能しか活用できていませんでした。監査契約から監査の終了までの間で承認や進捗管理が必要になるところでワークフローを活用していましたが、Excelを添付するだけで情報の二次活用には至っていませんでした。今回のAppSuite導入・活用で業務効率化だけでなく、法人内の書類の品質アップにも貢献してくれました。今後、AppSuiteをいろいろなことに広げていきたいと思います。
SIerのエンジニアが使うような生産性を上げるための開発ツールもあります。でもAppSuiteではエンドユーザーがより使いやすくする機能を付加していただき、エンドユーザーが開発できるレベルで今後もどんどん進化してもらいたいと思います。
AppSuiteで細かなところまで作り込み過ぎて、主担当者である私や清水にしかわからないところも出てきています。今後はこのような新たな課題を解決することを目指していきたいと思います。
これまで1on1のサポート担当者様には何度も助けていただいたのですが、これからもしっかり活用していきたいと思います。
エンジニアの立場である私から見ても、ノーコードのAppSuiteは経験がなくても視覚的に親しみやすい。正直、わかりやすくてこんな便利なツールがあるのだなと感心しました。
システムに精通した人間でなくても、直感的に作り込みがしやすくなっていますね。今後は、事例紹介でいろいろな使い方を知れれば、当法人での活用の幅も広がるはずです。