株式会社Farm&Gardens
様の導入事例
経験と勘からの脱却。ITのプロでなくてもノーコードのAppSuiteで経営を可視化。データ活用で見積もり決定率を108%UP
マンションや商業施設を美しく彩り、暮らしを豊かにしてくれる植栽。株式会社Farm&Gardens様は、「世の中に必要とされるプロとなれ」をモットーに、よりよい植栽づくりのために管理契約策定からコンサルティングまで幅広い業務を行っています。
同社では多くの業務をデジタル化し、従業員との情報共有を効率化。グループウェア「desknet's NEO」のAppSuiteをはじめ、フリーソフトやAIシステムなどと連携し、DXを推進することで、守りから攻めへと経営を転じたといいます。そこで今回、代表取締役の武石康之さん、DX事業部の鈴木康紘さん、デザインチーム リーダーの佐藤友美さんに成功のプロセスについて話を伺いました。
<お話を伺った方>
職人への現場情報の連絡は常にギリギリ。
経営情報の社員への共有にもタイムラグがあり、柔軟な戦略変更が難しかった。
高齢化と人材不足が課題となっている、造園業界。2020年に実施された国勢調査のデータによると、植木職・造園師の65歳以上の割合は38%、30歳以下はわずか6%という結果になっています。次世代を担う若者を育成するために、業界全体を変えていきたいと話すのは、株式会社Farm&Gardens様の武石康之代表取締役です。
「私が22歳にこの業界に入って、親方ひとりの単価が2万円。物価もガソリン代も上昇しているのに、20年以上変わらないままでは立ち行かなくなるのは当たり前です。少しずつでも単価を上げないと10年先、純粋な庭師は壊滅してしまうと危惧しています」(武石様)
Farm&Gardens様の主な取引先は、マンションや商業施設。単価交渉をするためにも根拠を裏付けるエビデンスが求められるため、職人一人一人の経験や勘に頼って提案するスタイルでは決定率も上がらなかったとのこと。また代表は、月次試算表を表計算ソフトで作成し、毎月、全社員に開示。しかし表計算ソフトだと情報共有にタイムラグが発生し、リアルタイムでの経営戦略変更も困難だったといいます。
「目標に対する達成度、不足部分に対する戦略の方針変更などを行うのに、月1回の会議で情報共有するのには遅いとジレンマを感じていました。どうにかリアルタイムで経営状態を全社員に把握してもらい、課題をそれぞれが理解し、自走してもらえるような仕組みにしたいと考えていました」(武石様)
また物件情報は、社内のローカルサーバーに置いているため、現場に必要な情報があれば、社員が確認のために、朝、現場に向かう前、会社に立ち寄らなければならないことも多く、非効率だったといいます。膨大な物件情報を社員が毎日、的確に把握し、職人さんに伝え、動いてもらうための指示を出す業務は大きな負荷でした。ほかにもアナログならではのトラブルはありました。
「現場作業を行う前、作業内容を告知するチラシの貼り出しが必要です。事務担当者が物件名や曜日、作業内容を手入力して現地へ郵送していたのですが、曜日に間違いがあった場合、修正があると送り直す手間もあり、郵送費もかかるので業務改善をしたいと思っていました」(武石様)
選定とdesknet's NEOへ移行の理由
ノーコードだからプロでなくても、思い描くシステムが自分たちで作れると確信。
価格もリーズナブルだった。
Farm&Gardens様は、表計算ソフトや顧客管理ツールなど、時代に応じて使用するツールを乗り換えてきましたが、当時利用していた顧客管理ツールがなくなるということで、次に使用するものを探していたといいます。
「DX展示会でdesknet's NEOを見つけました。データのデジタル化を進めていくにあたり、ノーコードのAppSuiteが使えると直感。操作性の自由度に可能性を感じたのです。これならITに詳しくない私たちでも理想とするシステムを作れそうだと確信し、購入を決定しました」(武石様)
購入後、ある現場社員が米国に行くことになり、渡米後の3カ月間、desknet's NEOの構築に専念してもらえることになりました。まずはAppSuiteを使用して、全ての情報のマスターとなる物件情報データベースを作成。そこから正しい情報を作業スケジュール自働作成システムや勤怠管理システム、スケジュール共有システムなど複数のシステムと連携することで、人が手入力することで発生していたミスを減らし、売り上げなどのような経営の数字をリアルタイムで共有できるように作り込んでいきました。
「構築したスタッフはもちろん、その後、引き継いだスタッフもプログラミングの経験はなく素人でした。AppSuiteは慣れれば、すぐに使いこなせるようになる操作性の良さが何よりも魅力ではないかと思います」(武石様)
導入プロセス
DX展示会でグループウェア「desknet's NEO」、AppSuiteに出会う。
すぐに製品導入を決定。
3カ月の構築期間を経て、本格稼働。
手入力、転記などの手間がなくなり、現場への指示ミスも激減。
1)[AppSuite] 物件情報を軸に、予実管理や取引管理、チラシ作成、工程表作成業務などを徹底的に自動化
Farm&Gardens様の主幹業務は、年間契約をした顧客先に出向き、植木をメンテナンスする仕事です。[AppSuite]で「物件台帳」と呼ばれる、マスターのデータベースを作成。物件名や住所、管理人の有無、駐車場所、チラシの配布、メンテナンスの頻度などの物件情報をデータで一元管理するようになりました。
そして、物件台帳をマスターとして、月ごとにどの物件でどういう作業を行うのかを抽出。物件ごとに作業可能な曜日や時間帯、担当する職人が決まっているので、その情報をAIのスケジュールを組み立てる他社ソフトを使用して、職人別にスケジュールを自動調整。その作成したスケジュールを [AppSuite]で作成した「予実管理」に取り込み、予定を管理するようになったのです。
取引先の電話番号やメールアドレスは、「取引台帳」、顧客への作業案内文を作成・管理するのは「チラシアプリ」、物件の工程を確認するのは「工程表」と「作業報告状況確認アプリ」、発生したゴミ代の管理は経理ソフトと連携した「請求書管理アプリ」など、業務を円滑に進めるためのアプリを[AppSuite]で作り込んでいきました。
「例えば、チラシの作成はこれまで事務スタッフが社内で手入力。毎日膨大なチラシを作り続けるので、曜日の入力ミスも発生します。自動化前は、間違いがあったときには修正して印刷したものを再度、郵送する必要がありました。今では、データベースから物件名や作業内容を自動で読み込み、印刷することなく、データをFAXで直接送付するようになりました。手入力の手間やプレッシャーもなくなったのと同時に、郵送のコスト削減にもつなげることができました」(武石様)
2)[ポータル] 経営課題をリアルタイムで共有できるようになり、社員の意識向上を実現。
提案決定率向上にもつながった。
[AppSuite]で作成したデータからリアルタイムで月ごとに売り上げや目標の達成率や未達などが円グラフで[ポータル]に表示されるようにレイアウトを変更しました。
経営の数値がただ羅列されるのではなく、どれくらいの物件数をこなし、どれくらいの利益が上がっているのか、経営者以外でも簡単に理解できるようになりました。やがて経営数値の可視化が実現すると、取り組むべき課題が明確になっていったと振り返る、武石代表取締役。
「以前、YKB60(喜ばれる提案を60件だそう)という重点施策を立てたときには、お客様にリアルタイムで何件提案がされているか見られるように[ポータル]のレイアウトを工夫しました。60件提案したら、みんなで焼き肉に行こうと話していたので、達成したときにはすぐにその約束を果たしました」(武石様)
そして2024年の重点施策は、不採算案件の改善を掲げています。現在、[ポータル]には不採算案件がどれくらいあるのかを表示。どの物件で単価交渉が必要なのかがリアルタイムでわかるような仕組みになっています。
「現在、不採算案件の改善を目標にしているので、単価交渉の過去データも可視化したところ、どのあたりの価格なら提案は通るけれど、一定の水準をこえると失注するというのもわかってきました。これからさらにデータ分析をすることで、経営に役立つ情報を提供できるようにしたいです」(DX推進 鈴木様)
グループウェア「desknet's NEO」導入後、お客様への提案決定率も34%から37%、43%と少しずつ上昇。
「植栽のメンテナンスでは、だいたい24~25種類の問題が必ずどこかで起こっています。これまで扱ってきた1655件の見積書と提案書のなかから、改善提案をして受注に至った提案書をピックアップ。提案書のひな型を作ったことで、一般的に専門知識がないと理解が難しい植栽のメンテナンスについてお客様に説明しやすくなり、提案決定率も上がりました。これからもこの取り組みは続けたいです」(武石様)
一見、ITとは縁遠いと見なされる造園業の世界で、DX推進し、業界の底上げを図るのが目標と話す武石様。やりがいを持って仕事ができる業界にすることで、次世代の育成につなげていきたいと話してくれました。
3)[ウェブメール]
社員は現場に行くこともあり、とにかくどこでも簡単にメールを見られるとありがたい。
社内のメールサーバに蓄積されているメールを外部からIMAP形式で読み込むことで、外部からメールにつないだときに手元に情報を残すことなく、安全にメールのやりとりができるようになりました。
「メールは外からいつでもやりとりできるようになって本当に便利です」(武石様)
ご担当者のコメント
事業概要
愛知県瀬戸市を拠点とし、分譲マンションや商業施設などの植栽管理を軸にコンサルティング・設計・施工までトータルサービスを提供する造園会社。設立以来、年間400件以上の現場で植栽に向き合うなかで、植栽管理の現場を知らずに作られた植栽が多く存在すると知り、同社では上流工程であるコンサルティング・設計・施工へと立ち戻り、イキイキとした植栽づくりのために日々、新たな提案を行っている。
すべての機能は今すぐ無料で
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アナログだったものをデータ化できたからこそ、不採算案件の解消についても今すぐやらなければいけないという風に経営方針を踏み切れました。desknet's NEOのAppSuiteで管理をするようになったことで、利益率がしっかりと見えてきたからこそ、できるようになったことが多いです。今後はDX推進のノウハウを生かして、同業他社のコンサルティング支援にも力を入れていきたいです。
desknet's NEOは見積もり、実際の管理、問い合わせなど内部管理のための情報や経営系の情報が集約しました。タブを用意し、スタッフによって見せている情報、画面を変えています。事務系の人なら、事務系のやらなければならないことがあります。日程調整が終わっているかどうかや、作業を告知するチラシ配布の有無など、必要に応じて、見たいものが閲覧できるような工夫をしています。これからも経営に役立つ情報をリアルタイムで提供していきたいです。
desknet's NEOの導入前は、属人的にスケジュール調整やチラシ作成を行っていました。でも今では「AppSuite」で作成したマスターとなる物件台帳に条件だけちゃんと入れておけば、その条件に応じてスケジュールを組むようになり、ミスも減りました。チラシ作成への手入力はかなり精神的な負担もありました。現在では自動入力されたものを確認する流れとなり、ミスも負担も減りました。