北九州市役所
様の導入事例
職員の情報共有を行財政改革に活かし、市民にベストな市政を。
2023年、市制施行60周年を迎えた北九州市様は、門司・小倉・若松・八幡・戸畑による、世界に類を見ない“5市対等合併”で誕生した九州初の政令指定都市です。
九州と本州を結ぶ交通の要衝として発展。四大工業地帯の一つ、北九州工業地帯によって高度経済成長を支えてきましたが、公害問題を克服した経験を活かして近年は環境に重点を置いた市政へと転換。2017年に「第1回ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞後、OECDからアジア初の「SDGs推進に向けた世界のモデル都市」に選定され、国からは国内初の「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定されるなど、先進的な環境施策等に取り組んでいます。
2002年にdesknet's NEOを導入して以降、長期にわたる活用を通して庁内の情報共有環境を進化させ業務を改善。行財政改革を推進してきました。「デジタルで快適・便利な幸せなまち」の実現を目指して、「北九州市DX推進計画」を策定するなどDX活用にも積極的に取り組み、多様な行政施策、住民サービスを通して、市民の暮らしを支える情報共有の事例をご紹介します。
庁内端末の急速な普及にあわせ、大組織の活用に適した製品を。
情報共有の質的向上をめざし、Web型グループウェアの導入を決定。
北九州市様の情報共有ツールの採用は早く、2000年初頭にはすでにグループウェアの先駆けとなったクライアントサーバーモデルの製品を導入していました。
しかし、庁内の業務内容に応じて、作り込みやカスタマイズが必要な製品であり、利活用する上で専門性の高い要素もあったようです。そのような中、製品を見直す契機となったのが、庁内イントラネットの構築・整備と急速な端末の導入・普及でした。
「2002(平成14)年ごろに端末が急速に普及し、ユーザー数の増大と共に業務効率化に直結する情報共有へのニーズも高まっていました。自分たちの意見を盛り込みやすく、職員間のスムーズなコミュニケーションを実現できる、より利便性の高い製品への移行が必要でした」
ユーザー数、拠点数ともに多く、組織規模にも適した製品として、Webベースのグループウェアに着目。既存製品からのリプレイスが進められます。
多様な職域、パソコンの活用度も異なるあらゆる拠点で情報共有の効果を活かせるdesknet's NEOを採用。
2002年の導入時、製品選定に際しては各社の提案書に基づき、複数の製品を比較検討。指名競争入札を経て、desknet's NEOを正式採用します。導入検討から、製品決定まで約6カ月、製品決定後約5ヶ月の準備期間を経て、全庁にリリースされました。
「多機能でカスタマイズしやすく、他製品からもデータをインポートして情報資産を活かせること。イニシャル&ランニングコスト等が適切で、インターフェースもわかりやすく、直感的な操作感などを評価しました」
さらに、多分野の職員がユーザーとなる市役所特有の利用環境にも配慮がなされました。
「多彩な部門が利用し、職務や事業所ごとにデジタル活用度やスキルが異なる庁内の業務、大規模ユーザーに適していました」
導入当時は、利用手順書を作成し、職員に配布しましたが、現在は新規採用職員にツールの活用目的を伝える基本教育とマニュアルを提供。組織規模・職員数も多いだけに、庁内にはデジタルツール全般のヘルプデスクが常設されており、そこで活用をフォローしFAQも用意。2002年の導入以来、各種機能活用を通して利用度・定着度を高めてきました。
バージョンアップなどで新機能が出るたびにマニュアルも随時改訂し、スクリーンショット等も含めて新機能を紹介。新たな活用手法が推奨されています。
「継続利用を通して職員の利用度・活用頻度を高めていきました。利用期間も長いため、入職時より“グループウェアはdesknet's NEO”という職員の比率も高まっています」
本庁舎、7区役所、10出張所をはじめ、市民の暮らしを支える、医療・保健・福祉、教育、文化・芸術や観光・レジャー施設、経済・商業振興、水道・下水、ごみ・リサイクルなど、出先拠点の事業所100数十箇所、多様な職域・専門分野の職員7,199名*によってdesknet's NEOが利用されています。
*2022(令和4)年4月時点
導入プロセス
導入製品検討
各社からの提案書を比較検討後、指名競争入札を経て正式決定
製品決定・正式導入
準備期間を経て全庁リリース
「みんなとベクトルをあわせて、行財政改革に挑みたい」
市長・職員が業務を向上させる熱き思いを共有。市政に活かす。
1)広域・多拠点、職員数も多い政令指定都市の日々の動静を[スケジュール]で共有。施設管理数1,371件の[設備予約]も連携活用。
利用度・重要度が高く、業務に欠かせないのが[スケジュール]の活用です。
「拠点数が多く市域の各所にあり、職員数も多いという実情から必然的に利用度の高い機能です。予定の詳細は所属部門や関係者だけで共有すべき予定もあるため、閲覧者設定で鍵アイコンのみを表示する手法もよく活用されています。所在確認がしやすく、他部署の担当者とも適切なタイミングで電話や打ち合わせなどが行えるので、便利ですね」
スケジュールと連携して[設備予約]の活用も全庁に浸透しています。諸施設の会議室や共用パソコン、備品類も含め登録件数は実に1,371件にのぼります。
「Web会議やビデオ会議用のアカウントも同時に管理し、スケジュール確定、会議室予約とあわせて予約管理しています。重複予約を防ぐだけではなく、稼働状況から適正なアカウント数も分かり、コスト管理にも効果があります」
庁内には資料作成などで職員が業務に集中するためのフリーアドレスによる特設の作業スペースがあり、その利用管理にも[設備予約]が用いられています。
2)市長から職員へ。『市長からの手紙』で意識を共有。情報を色分けし災害報告、BCPに[インフォメーション]を活用。
2023年2月、武内和久新市長が就任。雇用の確保や子育て支援などに力を注ぐと共に、「職員の皆さんと挑戦する市政を目指していきたい」と市政・行財政改革に職員と共に挑む決意を表明。武内市長が定期的に職員にメッセージを発信したいのだが、「何かよい手法は?」ということから選ばれたのが[インフォメーション]です。
ポータル画面[インフォメーション]のトップに『市長からの手紙』という特設枠を設け、さまざまな提言やビジョン、視察地の報告等などをキャッチーなタイトルをつけて毎週発信。「職員と同じベクトルで市政に向きあいたい」と職員の意欲を鼓舞し、業務改革につながるような考えや思いを発信。その視点や発想、タイトルのセンスに共感する職員も多く好評です。
「[インフォメーション]は全庁職員が把握すべき重要な情報を発信する場として、情報のカテゴリーや重要度でカラーを分けて、瞬時に識別できるように工夫しています」
『市長からの手紙』は項目上部に緑でレイアウトされ、災害などの緊急連絡には赤で『緊急インフォメーション』をトップに表示。所属部署などの通常業務での告知は青に分類されています。
各部門からの職員向け広報は一日平均10〜20件ほど掲出されていますが、重要度の高い『緊急インフォメーション』では台風や大雨などの情報を予報段階、災害発生時の緊急告知、発生後の状況などを時系列で掲示。公共施設の防災対応やイベント開催の可否、避難所開設時の職員ローテーションなどが共有されます。
「専用の防災システムや指定避難所の管理システムは別途確立されていますが、組織行動の前段階で、全庁職員にいち早く状況を周知徹底できる[インフォメーション]の役割も重視しています」
3)文書・資料作成時の共有とブラッシュアップに[回覧・レポート]を活用。
職員間のセキュアで迅速なコミュニケーションにChatLuckを採用。
[回覧・レポート]は文書類の共有や回覧に活用。紙媒体からスキャンした文書や各種ファイル等、閲覧中心の文書では滞留がなくなりメンバー間の迅速な確認を実現。また、各種資料や文書類は原稿を関係者全員で確認し、表現のブラッシュアップや校正に役立てられています。
「初校の原稿をもとに関係するメンバー複数の眼を通して指摘や校正を行い、完成度を高めます。意見や提案を確実に反映でき、資料や文書の作成・公開までのプロセスが速く、確実なものとなりました」
2020年からは、職員間の通信にチャットツールChatLuckも採用。
「コロナ禍の影響でテレワークやサテライトオフィスなど、働く場所・働き方の改革が急速に進んだことが背景にあります。庁内の閉じた世界で活用できるChatLuckによってチャットによるコミュニケーションの安全性が向上し、職員間の業務連絡がスムーズになりました」
情報システム部のBCPグループでは地震被災を想定して、異なる場所から安否確認や状況報告を行い、緊急対応時スムーズな連携が可能か訓練にも活用。
議会の準備対応から、道路補修工事の現場写真や進捗状況まで、多様な部門で活用され、現在747ルームが開設されています。
現在は「デジタルで快適・便利な幸せなまち」の実現を目指して、「北九州市DX推進計画」を策定・推進中。庁内のコミュニケーションや業務改善、市政改革などのために「やりたいこと、できることはまだまだあります」と意欲を語るデジタル市役所推進室の皆さまでした。
ご担当者のコメント
事業概要
人口92万3,948人*の政令指定都市。国際貿易港「門司」、城下町・商業の中心地「小倉」、筑豊の石炭積み出し港「若松」、官営八幡製鐵所・鉄の街として近代工業の主軸となった「八幡」、工業と遠洋漁業基地の「戸畑」の隣接5市による、世界に類を見ない対等合併により誕生。市制施行1963年2月。職員数7,199名(2022年4月時点)。
*2023(令和5)年3月31日時点
すべての機能は今すぐ無料で
体験できます
電話でお問い合わせ
平日9時 - 12時 / 13時 - 18時
- 横浜本社 045-640-5906
- 大阪営業所 06-4560-5900
- 名古屋営業所 052-856-3310
- 福岡営業所 092-419-7277
庁内イントラネットの構築・整備などへ着手した頃にも現在の部署に携わっていましたが、長年コミュニケーションのツールはdesknet's NEOを活用しており、あたりまえの存在、身近なツールとして定着しています。ユーザーが相互に活用手法を教え合うことも多く、活用範囲も拡がり、さらに便利に使いこなせています。使いながら進化するツールとして、なかなか奥深いところがありますね。
入職時すでにdesknet's NEOが活用されており、UIがわかりやすく直感的に操作ができるというのが最初の印象です。他の製品にふれたこともありますが、desknet's NEOは使いやすいですね。ChatLuckに続きAppSuiteの採用を検討中です。AppSuiteとワークフロー機能の連携で運用を整理したり、アンケート機能や集計・管理への活用など可能性も広がると考えます。desknet's NEOひとつで「ここまでできるんだよ」というのを実現していきたいと思います。
業務でdesknet's NEOを利用しながら、ふと「使い慣れたスマートフォンの快適さ」に似たような感覚を覚えることがあります。職員一人一人が自分の職務や所属部署に適した使い方を確立しているように思えるんです。結果として必要な情報を的確に共有でき、主業務の向上につながっているのだと思います。