株式会社松屋
様の導入事例
老舗の矜恃は、挑戦と進化で守られる。
2,000人が活躍。松屋銀座の魅力を支える情報共有の活かし方。
創業1869(明治2)年11月
世界も注目する流行の発信地、銀座の松屋銀座。日本を象徴する観光都市として古くから栄える浅草の松屋浅草。東京を代表する老舗百貨店を経営する株式会社松屋様では2008年、社会や市況の変化にもゆるぎない、持続性のある店舗の魅力づくりへの取り組みとして、社員有志による構造改革・業務改善施策の自主プロジェクトを始動させます。
多様な部門の社員が意見を交わし、長年定着した社内慣習や働き方を検証する過程で浮上したのが情報共有の課題であり、さまざまな手法を検討する中、電話やメールに頼りがちなコミュニケーションや非効率だった紙の承認申請からの脱却を実現するために着目したのが、グループウェアdesknet's NEOでした。
2世代3世代にわたり愛され続ける老舗百貨店の魅力を支える、株式会社松屋様の業務改革への取り組みをご紹介します。
社内有志による自主プロジェクトによって情報共有のさまざまな課題を指摘。業務改革と顧客満足の追求をめざして、グループウェアの導入を検討。
株式会社松屋様では、さらなる顧客満足の追求、社会情勢や市況の変化にも盤石な経営や店舗運営、従業員の働き方改革などを目的に、2008年より業務改善への取り組み「Good Jobプロジェクト」を始動。構造改革・業務改善施策に着手します。
「業務に潜む無駄や不便・非効率などの問題や課題解決に取り組み、その成果を店舗のセールスや顧客満足に反映させようと、複数の部門・立場の社内有志による自主プロジェクトとして始まりました」
改善施策に取り組む過程で、社員相互の予定確認など、情報共有に関するさまざまな課題が浮上します。
「社員間の予定を共有化する効率的な手段がなく、会議を行う際にも、相互のスケジュール調整にたいへん手間取っていました。参加メンバー個々に問合わせたり、上職者のデスクにあるスケジュール表を確認してから会議日時を押さえ、あらためて会議室予約を管轄部署に電話確認・予約して、ようやく会議日程が確定するという手間のかかる作業を行っていたのです」
松屋銀座の施設は、本館をはじめ複数に分かれ、会議室15室の他にも複数の打ち合わせブースが分散。会議室ごとに管理部署が異なるケースもあり、ダブルブッキングによる再調整なども起こっていました。会議関連の雑多な付帯業務に伴う非効率を指摘する意見は多く、会議調整を担うことが多い若手メンバーが声を上げました。
スケジュール共有の他にも、部門ごとの意見交換や会議資料の事前共有、紙の書式から離れられない承認申請の効率化など、組織全体で改善すべきいくつもの課題や社内意見が「Good Jobプロジェクト」により浮上。
それらの課題を改善する情報共有ツールとして、グループウェアの導入が検討されました。
店舗営業に携わる多忙な社員に配慮し、機能活用のわかりやすさを重視。
直感的な操作感でユーザーの心理的負担が少ないdesknet's NEOを採用。
構造改革・業務改善プロジェクト「Good Jobプロジェクト」のメンバーを中心に具体的な製品検討に着手。プロジェクトには社内各部のメンバーが集まっていたことから、広く社内意見を取り入れ、Webや資料等を通して複数の情報共有システムやグループウェア製品が比較検討されます。有力候補の中からさらに製品を絞り込み、最終的には、desknet's NEO(2008年当時は旧desknet's )と大手通信事業者によるASPサービス2製品の試用が実施されました。
「トライアルの使用感をメンバーが各部門のユーザー視点で評価し、指摘し合いました。はじめて導入するグループウェアであること。パソコンでのデスクワークが少ない店舗スタッフが戸惑ったり負担を感じることがないようにという配慮から、直感的な操作感やインターフェースのわかりやすさを評価しdesknet's NEOを採用しました。運用上の視点では、組織設定などが日本型企業の組織体系にフィットしている事も採用の決め手となりました」
導入に際して社内説明会を実施。当初は1人1台でPC活用度が高い管理部門から利用を開始し、先行活用を経て店舗の営業部門へと段階的に活用を展開。導入プロジェクトチームから移管した、人事企画課とシステム課メンバーによる相談窓口を開設し、個別の問い合わせに対応するなどして、社内浸透・定着が推進されました。
「経営陣から若手社員まで「業務や店舗のセールスの現状を変えていこう」という機運は社内意識としてしっかり共有されていたため、desknet's NEO活用の社内浸透は比較的順調に進んでいったと思います」
組織全体としては、松屋銀座店本館とマロニエ通り館、東館、銀座インズ等の複数拠点、松屋浅草店における情報共有の環境が整備されました。
導入プロセス
導入までの経緯
社内の構造改革・業務改善プロジェクト「Good Jobプロジェクト」始動。業務課題改善の一環として、情報共有環境改善への取り組みを検討。
製品選定
スケジュール共有、設備予約、意見交換や資料共有、ワークフロー等の課題を改善するツールとしてグループウェアに着目。Web、資料等にて候補製品をリストアップ。
製品試用・正式導入(PROCESS1〜3を約4カ月で完了)
人事部と経営企画部が導入担当となり、グループウェア2製品を試用、比較検討の結果desknet's NEOを採用。
2,000名近くが活躍する松屋銀座をはじめ、全拠点の情報連携を実現。
新型コロナ禍の営業時間変更など、最新情報の全店把握・共有に活かされた。
1)シフト勤務で調整が難しかった[スケジュール]共有の利便性をユーザーが実感。
[設備予約]との連携活用を通して、複数機能の活用浸透にも効果を発揮。
desknet's NEO導入の初期段階から利活用が進んだのが[スケジュール]の活用です。
百貨店の営業はほぼ年中無休のためシフト制で勤務し、休日も社員ごとに異なります。複数の店舗施設や事業所などに分散して勤務しているため、導入当初に[スケジュール]の活用を推奨したことが、グループウェアの利便性や効果をユーザーが実感することにつながり、その後の複数機能の活用にも良い影響を与えたようです。
「いち早く[設備予約]との連携活用も定着し、会議の設定管理や会議室の効率的な運用が実現しました。1人1台パソコンを活用する管理部門の社員、店頭営業部門のマネージャーとアシスタントマネージャーには全員desknet's NEOのアカウントを付与し、それ以外の販売担当の社員は、売り場共有のアカウントにて情報を閲覧しています。端末は段階的に増えており、担当者の要望や必要に応じて、今後ユーザー増の可能性もあります」
百貨店の店頭営業部門である「売場担当」「仕入」「外商」「販売促進」「コンテンツ事業」「お客様サービス」等の各部門。後方管理部門を担う「経営企画」「宣伝装飾」「広報」「顧客戦略」「人事・総務・経理・環境マネジメント」などの全部門における共有が可能となり、お客様と接する販売業務に影響や負担を負わせることなく、社員相互の情報確認や打ち合わせ調整が可能になりました。
[設備予約]では15の会議室をはじめ、社員・スタッフに向けた社内販売等の催事スペース、外商部が担当する顧客サロンやお得意様専用駐車場、外商車の予約管理やお客様向けの催事スペースの予約管理にも活用されています。
「予定入力と同時にメール送信する通知メール機能も多くのユーザーが上手に活用しています。スマートフォン上でdesknet's NEOを確認できる利便性を覚えてからは、手帳を手放す社員も一気に増えたようです」
「[スケジュール]が空いていれば、会議の予定を入れてもよい」「予定入力後の儀礼的な電話連絡は不要」といった基本ルールも共有化することで、社員が気兼ねすることなく、予定調整や情報入力できる社内意識が醸成され、さらなる活用推進に成功しました。
2)業務上の連絡書、ルール、マニュアル等の全店共有に[回覧・レポート]を活用。
効率よく安全に資料や文書を社内で共有し、実務の円滑化とペーパーレス化を推進。
[スケジュール]に次いでアクセス数の多い[回覧・レポート]は管理部門での活用度が高く、人事課、販売促進課、顧客政策課の3部署だけで、発信・利用の6割近くを占めるほど機能活用が定着しました。
「販売促進課では、新たな催事の企画や店内イベントの内容を一覧化して営業部向けに発信するなど、実務情報やルール、マニュアル類の配付・共有にフル活用されています。
顧客政策課からは、店内レジスターやモバイルレジ、新規導入が進むQRコード決済などの各種デジタル決裁関連のマニュアル共有にも活用されています。
松屋銀座店だけでも、一日2千人近くのスタッフが働いているのですが、そのうち社員は約2割程度かもしれません。社員とは別にテナントや取引先の販売スタッフの方々も多く、desknet's NEOの[回覧・レポート]で共有化された情報や各種マニュアルは、販売営業部門のマネージャーやアシスタントマネージャーを通じて百貨店全スタッフに共有されています」
「新型コロナ関連の告知情報に関しては、対策本部となる「危機管理委員会」を設置し、お客様や従業員、取引先の皆様の感染予防や安全に配慮した、さまざまな対策を講じてきました。
レストランの営業時間などはコロナ禍の状況に応じて変化していたので、お客様からの問い合わせなどにも一貫した対応ができるよう、全店・全スタッフで正確な情報を共有化する必要がありました。その際、[回覧・レポート]が役立ちました」
正しい最新情報をリアルタイムで全店共有でき、誤送信による情報の外部流出などの事故も防げるため、部署・部門内ではメール代わりに[回覧・レポート]の活用が広がり、利用度が一気に拡大。
2021年には約4,000件まで増加したため、活用手法やルールを部分的に見直し、運用上のガイドラインを新たに制定。
送信先や発信者の明確化、資料を添付する際のきまりや、検索の活用手法など、5分類17項目のルールを共有化して活用手法を整理することで、ユーザーの利便性を追求しています。
3)[ワークフロー]の活用で、承認申請〜決裁の迅速化を実現。
申請書類の書式やフローを見直し、再検証する契機となった。
[ワークフロー]は、16申請書を移行し、運用がスタート。紙の申請書類はまだ約120件程度残っており、可能なものから段階的に移行が進められています。
「当初は利用度が高く申請数が多い書式の中から実現可能な案件の[ワークフロー]化に着手し、導入を契機に判子が多かった申請書などの見直しもあわせて行いました。
今回の取り組みは、[ワークフロー]に向かない書式の整理や申請フローそのものを見直し、再検証する契機にもなりました」
移行に際しては、最初に人事の出張届や出退勤など、日常的に申請数が多い案件から着手し運用状況を精査。
その後、百貨店事業に特化した申請案件として、店内POPや看板、プレートやサイン類の「制作発注書」等の申請書が段階的に移行されていきました。
お客様にDMを郵送するための各種申請書の[ワークフロー]化も進められました。
名簿抽出からDM制作に関する申請書、宛名シールの発行申請などの顧客情報を取り扱うことから、案件を精査する専門部署の承認が必要な申請管理にも適用されています。
入店管理関連での申請では、催事期間だけ入店する販売員やスタッフの人数、入店期間の登録申請、名札バッジを発行するための申請管理などが[ワークフロー]で行われ、物産展などの催事に必要な酒類販売事業者や骨董・アンティーク等の催事における古物販売事業者等の登録証の確認申請など、コンプライアンス関連の申請にも活用されています。
「申請書類は、販売営業部門から管理部に承認申請するものがたいへん多く、以前は決裁が急がれる申請書類を携えて、担当者が事務所間を承認のために回ることもありました。[ワークフロー]は申請書作成や承認を得るための工数を削減し、申請過程を可視化することで滞留の防止や迅速な決裁・意思決定につながっています。ポータル上で承認申請が来ていることも確認できるので、決裁にあたる上職者は出張中でも、タブレットや携帯端末などで承認する流れができました」
出勤後はまず[ポータル]上で、必要な情報をチェックする習慣もすでに定着。今後は社内ニーズを確認しながら、新たな機能活用の展開や効果的な活用手法などを共有・展開していく方針です。
ご担当者のコメント
事業概要
百貨店業、通信販売業および関連する製造加工、輸出入業、卸売業。1869年 鶴屋呉服店として横浜に創業。1889年 今川橋松屋呉服店を買収・継承し東京進出。1925年銀座店開店。1931年 浅草店開店。1948年 商号を株式会社松屋に変更。1955年 銀座店にデザインコレクションの前身「グッドデザインコーナー」新設。2019年 創業150周年を迎える。グループ企業に(株)アターブル松屋など7社、1学校法人がある。
すべての機能は今すぐ無料で
体験できます
電話でお問い合わせ
平日9時 - 12時 / 13時 - 18時
- 横浜本社 045-640-5906
- 大阪営業所 06-4560-5900
- 名古屋営業所 052-856-3310
- 福岡営業所 092-419-7277
接客販売に多忙な店頭の業務にも、売り場を支える管理部門の業務にも欠かせないツールとしてdesknet's NEOが定着しました。
バージョンアップ毎に改善される新機能にも注目しており、会議スケジュールの確定と同時に会議資料も併せて共有できる「SmartViewer」(V6.1/2021年9月〜)などは、ペーパーレス化をさらに進める新たな手法として注目しているところです。
製品の進化と共にユーザーの活用手法もいっそう深まり、業務の効率化や働きやすい環境が、さらなる顧客サービスやお客様満足、魅力あふれる売り場づくりにつながるよう、社内活用を推進していきたいと思います。
株式会社松屋の動静を把握するポータルとしてdesknet's NEOをチェックする習慣も定着したので、今後さらに新たな機能活用などが社内展開できそうです。
直感的に操作できるのがdesknet's NEOのメリットですが、それゆえ我流の活用手法で利用しているユーザーも散見されます。今後はより効果的なdesknet's NEO活用法の浸透もはかりたいと思います。
「[スケジュール]と[設備予約]の迅速な連携活用手法」とか「[回覧・レポート]の強力な検索機能を活かす」といった、より快適かつ効果的に活用するためのマニュアル紹介やTipsのような情報提供を段階的に進め、ユーザーも楽しみながら、コストをかけずにdesknet's NEOの可能性を拡げられる。そんな活用展開にも取り組んでいきたいと思います。