株式会社 國森
様の導入事例
ITが苦手な社員から海外駐在員まで、DX“はじめの一歩”として定着。スキルやナレッジの共有と経営の最適化で、新たな事業イノベーションへ。
株式会社 國森様は、港町神戸に本社を置く船舶用部品商社です。國森式冷凍機のアフターサービスを手掛ける会社として1966年に設立。舶用機器部品全般の販売に加え、日本、欧州、アジア各国の船舶用製品の販売代理店業務も展開。創業事業である船舶用冷凍機のアフターサービスで培った技術力を活かし、船舶主機補機修繕などのエンジニアリングサービスを提供しているのも他社にはない強みです。
50年にわたり継承された技術力を誇る同社ですが、2020年前後を契機に、長年にわたり培った技術や人材の経験・能力を有効化するべく、組織の全体最適化を推進。ITソリューション室や経営企画室を新設し、本社・東京・海外の事業拠点すべての情報共有を目的にdesknet's NEOが採用されます。次世代を見据えた経営改革に取り組む中で、情報共有の環境はどのように整えられていったのか?代表取締役社長 石原 俊樹 様にお話をうかがいました。
経営改革、DX推進の一環として未導入だったグループウェアに着目。
人と組織、国内・海外事業所をむすび、リアルタイムの情報共有、業務効率化をめざした。
海上輸送は日本の貿易の99.6%、国内貨物輸送の約40%(うち産業基礎物資の約80%)*を担い、経済を支える重要な基盤です。船舶用部品商社は、船会社や船舶管理会社の依頼に応え、船の心臓部となる主機関や推進機関の「機関部品」や、荷役・揚錨・係船機器・救命艇などの「甲板部品」を調達・一括納入することで船舶管理の効率化と安全航行を支えています。
「迅速かつ的確な製品納入で、船の運航を止めないことが私たちの事業使命です。近年はIT活用や海洋環境への適応など、船舶関連の製品・技術領域も大きな変革を迎えています」
さらなる顧客サービスの充実や国際競争力を高めるため、取り組んでいるのが組織の全体最適化。知識・技術の継承や共有化による人材・チーム力の強化。業務効率化や生産性向上、コスト削減などを通して、競争力を高めるための経営改革に着手する中、グループウェアにも着目することになりました。
「今までグループウェアの運用経験はなく、情報共有に関する明確なルールもありませんでした。メール、電話によるやりとりが中心で、予定共有や設備予約のツールもなく、必然的にメールの利用度が高まり、メーラーにも負荷がかかっていました。各種申請類も紙ベース、押印で回していたため、承認申請や決裁に時間がかかり、あらゆる面で非効率でした」
業務には技術知識と経験を伴う職人的な要素も多く、個々の人材が能力・パフォーマンスを最大限発揮することで、仕事が上手く回っていたため、各人材が能力を発揮できる環境を提供することで切り盛り可能な時代が長く続いていました。
けれども、そのような時代が長く続いたことで、多くの業務が属人化してしまい、世代交代に向けていかにナレッジを共有していくかが新たな課題として浮かびあがりました。
事業は成長と拡大を続け、神戸本社に加え、東京営業所、シンガポール、マニラ、上海など、海外の事業拠点も開設されます。
「海外拠点との連絡も、案件ごとに必要に応じて国内本社と連絡を取り合う状況でした。業務上のさまざまな要件や課題、国内・海外事業所の日々の動静をリアルタイムで把握する手段を満たすためには、複数のツールやExcelなどを用いるより、基本機能が揃ったオールインワンのグループウェアが有効と判断しました」
*国土交通省『海事産業の将来像と海事イノベーションのあり方について』より
利用度や社内ニーズに合わせ追加できる活用機能と親しみやすいGUI。
中国からでも利用可能な点を試用・評価し、desknet's NEOを採用。
グループウェアの製品選定では、代表的な5製品で比較表を作成し、定量的な比較を実施。
その後desknet's NEOと競合製品2製品に絞り込み、試用を経てdesknet's NEOが採用されます。
「幅広い年齢層、システムに不慣れな社員も想定し、インターフェースのわかりやすさは特に留意しました。導入後の拡張性や互換性、継続的な活用も意識し、製品や提供企業の永続性、desknet's NEOを採用した企業で、どのように活用されているか、導入事例も参考にした上で採用しました」
「desknet's NEOはユーザー一人あたりの単価、費用対効果も評価できました。国内、海外5事業所での利用において、日本と中国、両国からアクセスできることも決め手となりました。クラウド型を選定したのは、随時アップデートされ、常に最新の機能・内容が維持されているという安心感から。アップデートごとに改善要望が反映され、インターネット環境とブラウザがあればすぐに活用できることも当社の事業に適していると評価しました」
ソフトウェアは初期段階で作り込み過ぎるとかえって全体最適化の阻害要因になってしまうことから、実用を通して段階的に業務改善や生産性を高める想定で活用をスタート。全体最適につなげるファーストステップとしてdesknet's NEOの活用がスタートします。
導入プロセス
導入製品検討
5製品を選定。機能比較表を作成し、定量的な比較を行い、各製品の特性を評価。
製品試用
desknet's NEOと競合製品で最終選考。幅広い年齢層の社員にも対応可能か、GUI、使用感を試用検討。中国から利用可能かを検証。
製品決定・正式導入(PROCESS1〜3を約10カ月で完了)
インターフェースや製品・企業としての永続性など評価しdesknet's NEOを採用。ユーザーのストレスが生じないよう業務上必然性の高い利用機能に限定し活用を開始。
国内・海外5事業所の情報共有で、コロナ禍の在宅勤務・出張時も全社で動静を把握。段階的に活用機能や利用範囲を広げ、業務に潜む有益情報の可視化・共有化に成功。
1)[スケジュール]共有がグループウェアの活用浸透に効果を発揮。
[設備予約]連携で会議の効率化や社用車の台数削減も実現。
desknet's NEOが初めてのスケジューラーとして社内展開され、全社員の[スケジュール]共有化を実現。国内2、海外3拠点の予定がリアルタイムで共有化された変化は大きく、利用度の高いユーザーが積極的に予定入力することで、社員一人ひとりがスケジュールを入力する習慣が定着。[スケジュール]の利用定着が、その後のdesknet's NEO全体の活用浸透にも効果を発揮しました。
「会議室、社用車の管理に用いる[設備予約]連携で、打ち合わせや会議設定の効率化やダブルブッキング予防の効果が上がり、諸設備の稼働率も向上しました。来客を迎える際にも迅速かつスムーズに打ち合わせスペースにご案内できるなど、接遇にも役立っています。
それまでは車輌キーの有無でしか社用車の運用状況が確認できなかったところ、desknet's NEOで事前確認できるようになったことで運用効率が上がり、7台あった社用車を1台減らすというコスト削減を実現できました。」
2)紙ベースから[ワークフロー]への移行でコロナ禍の勤務にも対応。
決裁の迅速化と同時に、承認申請の意義・ルールが社内意識として浸透。
紙ベースだった社内連携から格段に運用効率が向上したのが[ワークフロー]の活用です。
「物品購入、出張や接待交際費などの各種申請が必要な書類を[ワークフロー]に移行することで、滞留や遅延も皆無に。承認過程が明確になり、決裁が迅速化しました」
申請が日をまたいで届く、出張を控えているのに申請書の所在がわからないなどの問題はなくなり、運用効率の向上はもとより、全体最適の観点から社内の意識改革にも有用な効果を発揮。
「desknet's NEOの[ワークフロー]というパッケージに承認申請のルートをはめこむことで、承認申請の意義や手順、ルールが社内意識として根付きました。承認申請が何に必要か、なぜ大切なのかが申請業務の手順と共に明確化され、差し戻しや引き上げ承認などを通して、承認申請を記録として残す意義や重要さが社内認識として浸透したのです」
[ワークフロー]の運用は着実に進化し、稟議、出張申請、接待交際費支出申請、資金移動依頼、代引き決済・着払い連絡等々、紙ベースやメール添付で行っていた承認申請を移行。ペーパーレス化の推進と共に、コロナ禍の緊急事態宣言発令時における在宅勤務や勤務時間変更時にも効果を発揮しました。
3)事業に潜むデータを有益化し、AppSuiteで独自アプリの運用を開始。
共通ポータルの拡充で、複数のプログラムやアプリの利便性も向上。
データの管理・活用ができなかった紙ベースの業務情報を有益化する目的で、2021年よりAppSuiteの利用も開始。すでに、メーカー返品不可の余剰発注商品を記録管理し、必要に応じ出荷するための「事故返品届」、荷受け商品の保管エリアを記録管理する「荷受けリスト」、新規顧客の取引条件や規約を整理する「新規取引決裁書」等のアプリを独自作成。文書で管理していたデータの電子化に着手し、運用の検討を進めています。
「記録・集約した諸データを集計・活用し、分析のフローとして有益化できる点を評価しています。次の目標として、電子化されたデータの活用を掲げ、グループ別損益作成の自動化・可視化・共有化を実現する「部門P/L」アプリ作成に着手しており、自身の業務を経営的視点で検証・評価できうるような仕組みづくりに取り組んでいるところです」
desknet's NEOポータルは全体最適・標準化推進の視点から、共通ポータルをメインに運用。コンテンツを「情報系」「スケジュール系」で色分けし、年間の社内行事、倉庫配置図、座席表、社用携帯電話番号を見分けやすいようにレイアウトしています。
「勤怠管理、販売管理をはじめとする複数の業務システムを連携活用すると共に、業務上重要な[インフォメーション]、製品値付けやトレーディングに必要な、米ドル・シンガポールドル・中国元・ユーロの実勢レートと月次社定レートを表示した「外国為替」は、ログインと同時にスクロールなしですぐ確認できるように配置しています」
「導入後短期間で国内海外5拠点間の情報共有環境が整ったことで、その後の機能活用も着実に広がり定着しました。たとえITに関する高度な知見がなくても、desknet's NEOは機能にふれながら習熟・社内浸透を実現し、DX施策導入の端緒となってくれました。社員が利便性を体感することでさらにDX化が加速するという良い循環につながっています」
ご担当者のコメント
事業概要
船舶用部品商社。舶用機器部品供給、船舶主機補機修繕、修繕ドック斡旋など。國森式冷凍機のアフターサービスを目的として設立。船舶用部品販売を事業の主軸とし、神戸・東京・シンガポール・マニラ・上海に拠点を展開。50年以上培われた現場力・顧客サービス力・営業力を基盤に、船舶周辺の多様なソリューションを提供している。
導入サポート企業
リコージャパンは、desknet's NEOに関するご相談、ご提案・お見積から、導入支援、運用支援、保守サポートまで、お客様のオフィス環境やニーズにあった製品・サービスをトータルでご提供いたします。また、desknet's NEO クラウド版に関するお問合せやお申込方法をご案内するサポートデスクをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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日本の船舶用部品商社として、どのように業務効率、ひいては国際競争力を高めていくか。組織全体で意識変革や経営改革を推進していく過程で、初めてのグループウェアとして採用したのがdesknet's NEOです。個別最適に陥りがちであった当社ですが、社員には「新たに導入するdesknet's NEOの各機能こそ“世の中の標準”」というメッセージをことあるごとに投げかけ、共に活用しながら業務に潜んでいた課題を可視化し、事業変革の可能性を探り出すことができました。
当初は、DX云々という以前での導入でしたが、desknet's NEOのゆるやかな上り坂がなくては社内の全体最適化やDX推進には、もう少し苦労していたかもしれません。
desknet's NEOのファーストステップは “ゆるやかなはじめの一歩”でしたが、やがて “大きな一歩”へと飛躍するよう、社員と共に活用していきたいと思います。