ここでは、お使いのサーバーに、『PostgreSQL 13.3』をインストールする手順を説明します。
インストール前にご一読ください
PostgreSQLは、本格的なオープンソースRDBMS(Relational Database Management System)です。
PostgreSQLのダウンロードはこちら
PostgreSQLに関する詳細は、「日本PostgreSQLユーザー会」の公式サイトをご参照ください。
ご注意
desknet's NEOでご利用いただけるPostgreSQLのバージョンは、「動作環境」をご確認の上、インストールを行ってください。
これからインストールを行うサーバー上に、既に別バージョンのPostgreSQLがインストールされていると、予期しない結果となり、desknet's NEOが正しく稼動しない場合がありますので、インストール前に必ずシステム状態をご確認ください。
1.パッケージソースの展開
suコマンドにて、rootユーザーにスイッチしてください。
[guest@xxxxxx guest]# su -
Password: |
|
ダウンロードサイトからダウンロードしたPostgreSQLのパッケージソースを展開します。ここでは、guestユーザーのホームディレクトリにあるものとします。
[root@xxxxxx guest]# cd /usr/local/src
[root@xxxxxx src]# tar zxvf /home/guest/postgresql-13.3.tar.gz |
|
展開が完了すると、/usr/local/srcディレクトリ下に「postgresql-13.3」というディレクトリが作成されます。
2.パッケージのインストール
インストールするサーバー環境による構成を行います。
[root@xxxxxx guest]# cd postgresql-13.3
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# ./configure
・
・(中略)
・
configure: creating ./config.status
config.status: creating GNUmakefile
config.status: creating src/Makefile.global
config.status: creating src/include/pg_config.h
config.status: creating src/include/pg_config_ext.h
config.status: creating src/interfaces/ecpg/include/ecpg_config.h
config.status: linking src/backend/port/tas/dummy.s to src/backend/port/tas.s
config.status: linking src/backend/port/posix_sema.c to src/backend/port/pg_sema.c
config.status: linking src/backend/port/sysv_shmem.c to src/backend/port/pg_shmem.c
config.status: linking src/include/port/linux.h to src/include/pg_config_os.h
config.status: linking src/makefiles/Makefile.linux to src/Makefile.port
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# |
|
※ここでは、特にコマンドオプションを指定せず、デフォルトのインストール先(/usr/local/pgsql)にインストールされる構成で説明します。インストール先等変更したい場合には"--prefix"オプションなど、PostgreSQLのインストールガイドをご参照ください。
サーバー上に不足しているパッケージなどがある場合、ここで構成エラーが発生しますので、不足しているパッケージを追加インストールするなどのご対応をお願いいたします。
次に、パッケージのコンパイルを行います。ここではGNU makeコマンドを使用してコンパイルします。
コンパイルは、お使いのハードウェアスペックにより、数分から数十分を要しますので、完了までお待ちください。
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# gmake
・
・(中略)
・
gmake -C test/perl all
gmake[2]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/src/test/perl' に入ります
gmake[2]: `all' に対して行うべき事はありません.
gmake[2]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/src/test/perl' から出ます
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/src' から出ます
gmake -C config all
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/config' に入ります
gmake[1]: `all' に対して行うべき事はありません.
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/config' から出ます
All of PostgreSQL successfully made. Ready to install.
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# |
|
コンパイルが完了したら、インストールを行う前に、PostgreSQLが正しく動作するかを検証するためにリグレッションテストを行います。
リグレッションテストは、rootユーザーでは実行することができませんので、rootユーザー以外のユーザーにスイッチします。(ここでは「guest」ユーザーで実行します。)
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# su guest
[guest@xxxxxx postgresql-13.3]# gmake check
・
・(中略)
・
explain ... ok 227 ms
test event_trigger ... ok 73 ms
test fast_default ... ok 133 ms
test stats ... ok 169 ms
============== shutting down postmaster ==============
============== removing temporary instance ==============
=======================
All 201 tests passed.
=======================
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/src/test/regress' から出ます
[guest@xxxxxx postgresql-13.3]# |
|
"All 167 tests passed."が表示されればテストが正しく完了していますので、インストールを行います。
インストールは、rootユーザーで行います。先ほどスイッチした「guest」ユーザーから戻します。
[guest@xxxxxx postgresql-13.3]# exit
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# gmake install
・
・(中略)
・
gmake -C config install
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/config' に入ります
/usr/bin/mkdir -p '/usr/local/pgsql/lib/pgxs/config'
/usr/bin/install -c -m 755 ./install-sh '/usr/local/pgsql/lib/pgxs/config/install-sh'
/usr/bin/install -c -m 755 ./missing '/usr/local/pgsql/lib/pgxs/config/missing'
gmake[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/postgresql-13.3/config' から出ます
PostgreSQL installation complete.
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# |
|
"PostgreSQL installation complete."が表示されればインストールは完了です。
次に、ファイル内検索オプションを利用するために、PostgreSQLの"dblink"機能をコンパイルします。引き続き、rootユーザーで実行します。
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# cd contrib/dblink
[root@xxxxxx dblink]# gmake
・
・(中略)
・
gcc -std=gnu99 -Wall -Wmissing-prototypes -Wpointer-arith -Wdeclaration-after-statement -Werror=vla -Wendif-labels -Wmissing-format-attribute -Wformat-security -fno-strict-aliasing -fwrapv -fexcess-precision=standard -O2 -fPIC -I../../src/interfaces/libpq -I. -I. -I../../src/include -D_GNU_SOURCE -c -o dblink.o dblink.c
gcc -std=gnu99 -Wall -Wmissing-prototypes -Wpointer-arith -Wdeclaration-after-statement -Werror=vla -Wendif-labels -Wmissing-format-attribute -Wformat-security -fno-strict-aliasing -fwrapv -fexcess-precision=standard -O2 -fPIC -shared -o dblink.so dblink.o -L../../src/port -L../../src/common -L../../src/interfaces/libpq -lpq -Wl,--as-needed -Wl,-rpath,'/usr/local/pgsql/lib',--enable-new-dtags
[root@xxxxxx dblink]# |
|
"dblink"機能のコンパイル完了後、インストールを行います。
[root@xxxxxx dblink]# gmake install
[root@xxxxxx dblink]# cd ../..
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# |
|
以上で"dblink"機能のインストールは完了です。
最後に、パッケージのコンパイルで生成されたオブジェクトファイルを削除することで、使用しているディスク容量を空けることができますので、必要に応じて実行してください。
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# gmake clean |
|
3.データベース管理ユーザーの作成
次に、PostgreSQLデータベースの管理ユーザー"postgres"(以下、"postgres"ユーザー)を作成します。
※必要に応じて、ユーザーパスワードを設定してください。
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# useradd postgres
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# passwd postgres
Password:
|
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作成したユーザーの環境変数に、PostgreSQLコマンドまでのパスを通します。これにより、作成した"postgres"ユーザーが、PostgreSQLデータベース管理コマンドなどを実行することができるようになります。
viコマンドで「.bash_profile」を開き、PATH変数を編集します。
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# cd /home/postgres
[root@xxxxxx postgresql-13.3]# vi .bash_profile
|
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以下のパスを環境変数「PATH」に追加設定してください。
# .bash_profile
# Get the aliases and functions
if [ -f ~/.bashrc ]; then
. ~/.bashrc
fi
# User specific environment and startup programs
PATH=$PATH:$HOME/bin:/usr/local/pgsql/bin ←追加
export PATH
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編集が完了したら、viコマンドの":wq"(保存して閉じる)を実行してください。
4.データベースクラスターの初期化
PostgreSQLのデータベースクラスターの初期化を行います。
データベース格納先のディレクトリを作成し、"postgres"ユーザーをディレクトリオーナーに設定します。
[root@xxxxxx postgres]# mkdir -p /var/pgsql/data
[root@xxxxxx postgres]# chown -R postgres:postgres /var/pgsql
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次に、"postgres"ユーザーにスイッチして、データベースクラスターを初期化します。
ここでは、先に作成した"/var/pgsql/data"をデータベースファイル格納先として指定します。
[root@xxxxxx postgres]# su - postgres
[postgres@xxxxxx postgres]# initdb --encoding=utf8 --locale=C -D /var/pgsql/data
・
・(中略)
・
Success. You can now start the database server using:
pg_ctl -D /var/pgsql/data -l logfile start
[root@xxxxxx postgresql-13.3]#
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|
ここまで完了すると、PostgreSQLデータベースを起動する準備が整いましたので、PostgreSQLを起動します。
[postgres@xxxxxx postgres]# pg_ctl -D /var/pgsql/data -l logfile start
waiting for server to start.... done
server started
[postgres@xxxxxx postgres]#
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|
正常に起動できたら、確認用のデータベースを作成し、接続確認しましょう。
[postgres@xxxxxx postgres]# createdb test
[postgres@xxxxxx postgres]# psql test
psql (13.3)
Type "help" for help.
test=#
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正常に接続できたら、データベース一覧(\lコマンド)を実行し、正しく作成できていることをご確認ください。
※作成した「test」データベースのCollate、Ctypeが"C"となっていない場合、desknet's NEOが正しく動作しない可能性がありますので、ご注意ください。(クラスターの初期化に誤りがある可能性があります。)
test=# \l
List of databases
Name | Owner | Encoding | Collate | Ctype | Access privileges
-----------+----------+----------+---------+-------+-----------------------
postgres | postgres | UTF8 | C | C |
template0 | postgres | UTF8 | C | C | =c/postgres +
| | | | | postgres=CTc/postgres
template1 | postgres | UTF8 | C | C | =c/postgres +
| | | | | postgres=CTc/postgres
test | postgres | UTF8 | C | C |
(4 rows)
test=#
|
|
postgresユーザーのパスワードを設定します。
※この後、pg_hba.confファイルの設定を変更する為、postgresユーザーのパスワードが必要になります。
test=# alter role postgres with password 'postgres';
ALTER ROLE
test=#
|
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"psql"コマンドを終了するには\qを入力してください。
PostgreSQLの接続方法の変更を行います。
[postgres@xxxxxx postgres]$ cd /var/pgsql/data
[postgres@xxxxxx data]$ vi pg_hba.conf
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以下の設定を変更してください。
# PostgreSQL Client Authentication Configuration File
# ===================================================
(中略)
# TYPE DATABASE USER ADDRESS METHOD
# "local" is for Unix domain socket connections only
local all all trust ←ここをmd5に変更
# IPv4 local connections:
host all all 127.0.0.1/32 trust ←ここをmd5に変更
# IPv6 local connections:
host all all ::1/128 trust ←ここをmd5に変更
# Allow replication connections from localhost, by a user with the
# replication privilege.
#local replication postgres trust
#host replication postgres 127.0.0.1/32 trust
#host replication postgres ::1/128 trust
|
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編集が完了したら、viコマンドの":wq"(保存して閉じる)を実行してください。また、保存した内容を反映します。
[postgres@xxxxxx data]$ pg_ctl -D /var/pgsql/data reload
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ここまでで、PostgreSQLのインストールは完了です。
5.PostgreSQLサーバーの自動起動設定
サーバーのリブート時などに、PostgreSQLデータベースが自動的に起動するように設定しましょう。
●RedHat Enterprise Linux 6/7/8、CentsOS 6/7/8、AlmaLinux 8をお使いの場合
PostgreSQLのパッケージソースに同梱されている、自動起動スクリプトテンプレートを流用して、お使いのサーバーで自動起動できるように設定します。
[postgres@xxxxxx postgres]# su - root
パスワード:
[root@xxxxxx postgres]# cd /usr/local/src/postgresql-13.3/contrib/start-scripts
[root@xxxxxx start-scripts]# cp linux /etc/init.d/postgresql
[root@xxxxxx start-scripts]# chmod 755 /etc/init.d/postgresql
[root@xxxxxx start-scripts]# |
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コピーした自動起動スクリプトを、お使いのサーバー環境に合わせて編集します。
[root@xxxxxx start-scripts]# vi /etc/init.d/postgresql |
|
ここでは、/var/pgsql/dataにデータベースファイルを作成しましたので、以下の赤字の設定を"/var/pgsql/data"に変更してください。
#! /bin/sh
# chkconfig: 2345 98 02
# description: PostgreSQL RDBMS
・
・(中略)
・
## EDIT FROM HERE
# Installation prefix
prefix=/usr/local/pgsql
# Data directory
PGDATA="/usr/local/pgsql/data" ← ここを"/var/pgsql/data"に変更
# Who to run the postmaster as, usually "postgres". (NOT "root")
PGUSER=postgres
# Where to keep a log file
PGLOG="$PGDATA/serverlog"
・
・
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編集が完了したら、viコマンドの":wq"(保存して閉じる)を実行してください。
次に"chkconfig"コマンドで、自動起動スクリプトをシステムに登録します。
[root@xxxxxx start-scripts]# chkconfig --add postgresql
[root@xxxxxx start-scripts]# chkconfig --list | grep postgresql
postgresql 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off |
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以上で、PostgreSQLの自動起動の設定は完了です。
●RedHat Enterprise Linux 9、AlmaLinux 9をお使いの場合
systemdで自動起動を行うにはユニットファイルを作成して、systemctlコマンドで自動起動登録をします。
/etc/systemd/system/にユニットファイルpostgresql.serviceを作成します。
viコマンドでエディタを開きます。
[root@localhost ~]# cd /etc/systemd/system
[root@localhost system]# vi postgresql.service
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以下の内容を入力します。
[Unit]
Description=PostgreSQL database server
[Service]
Type=forking
User=postgres
PIDFile=/var/pgsql/data/postmaster.pid
OOMScoreAdjust=-1000
ExecStart=/usr/local/pgsql/bin/pg_ctl start -w -D /var/pgsql/data/
ExecReload= /bin/kill -HUP $MAINPID
KillMode=mixed
KillSignal=SIGINT
TimeoutSec=0
TimeoutStartSec=0
TimeoutStopSec=1h
[Install]
WantedBy=multi-user.target
|
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編集が完了したら、":wq"(保存して閉じる)を実行してください。
リロードしてユニットファイルを反映します。
[root@localhost ~]# systemctl daemon-reload
|
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systemctlコマンドで作成したユニットファイルが反映されているかを確認します。
[root@localhost system]# systemctl status postgresql
○ postgresql.service - PostgreSQL database server
Loaded: loaded (/etc/systemd/system/postgresql.service; disabled; vendor preset: disabled)
Active: inactive (dead)
[root@localhost system]#
|
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上記のように"PostgreSQL database server"と表示されていれば、作成したユニットファイルが正常に読み込まれています。
[root@localhost ~]# systemctl enable postgresql
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/postgresql.service → /etc/systemd/system
/postgresql.service.
[root@localhost ~]#
|
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以上で、PostgreSQLの自動起動の設定は完了です。
►続いて『Node.jsのインストール』を行います。
記載の製品名および商品名は、各社の商標、または登録商標です。