第3回 金融機関ユーザー
意見交換会開催レポート前編

金融業界における
グループウェア
運用の
実情をユーザーが語る

業界によってDX推進は多種多様だが、グループウェアの実態はどうなのだろうか。
2024年10月、金融業界のdesknet’s NEOユーザーが集まり、都内某所で意見交換会を実施。
全国各地から集まったユーザーの皆さまが語る活用法や運用法、
抱える課題など、情報交換した際の様子を一部ご紹介する。
ほかではなかなか聞けないユーザーの本音や金融業界のDX推進の今をチェックしてほしい。

ご参加いただいた
金融機関様

北陸銀行様

宮崎銀行様

多摩信用金庫様

山陰合同銀行様

各金融機関様の導入状況

北陸銀行 宮崎銀行 多摩信用金庫 山陰合同銀行
導入時期 2016年10月 2019年7月 2019年7月 2023年10月
導入時のバージョン - V5.2 R1.1 V5.2 V7.5
現在のバージョン V7.0 R2.0 V5.2 R1.1 V6.0 R1.1 V8.0
ユーザー数 desknet's NEO 5,000(FG10,000) 2,300 約2,200 4,500
AppSuite 5,000(FG10,000) 2,300 約2,200 4,500
ChatLuck 5,000(FG10,000) 2,300 - 4,500

※FGは、ほくほくファイナンシャルグループ

「情報共有活性化に
つながった」
グループウェア
導入時期や導入背景について

desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)を導入いただいた時期と導入背景について教えてください。

北陸銀行様2016年10月にdesknet’s NEOを導入し、本番稼働したのは翌年1月です。それ以来、弊行にとって、desknet’s NEOは基幹システムのような立ち位置になっています。今年で導入7年目ですが、新入行員から役員までフラットな意見を言い合えるカルチャーが定着する手助けになってくれたと実感しています。ただ、私どもとしてはもっと使いこなしたいという思いから、他の金融機関様がAppSuite(アップスイート)をどうお使いなのかを知りたくて本日参加させていただきました。

宮崎銀行様私どものdesknet's NEO導入時期は2019年7月ですが、実際には4月から本部が稼働。同年の9月から全店での使用を開始し、使用期間は丸5年ほどです。現在はさらなる活用を進めようと、クラウド化やAppSuiteの機能追加、バージョンアップを検討するなど、新たなフェーズに移行している段階です。

多摩信用金庫様私たちはdesknet's NEO導入前、別のワークフローシステムを導入していました。費用の追加なしで利用ができるということで、汎用的な使用を検討しました。ですが、直感で操作しづらい点が気になり、たとえ費用がかかるとしてもワークフローだけでなく、グループウェアを導入するほうが今後のためになると考え、比較表を作成し上層部にプレゼン。desknet's NEO導入の了承を得たのが2019年7月です。導入後は少人数で組織表作成からユーザー仕様まで決め、運用。感染症が広がった2020年ごろには在宅勤務が一気に進んだことで基幹システムとして位置付けられるようになりました。そしてAppSuiteがワークフローとつながるのを待って、AppSuiteを導入。来年度にはバージョンアップを目指しているところです。これから挑戦したいことをどうすれば実現できるのかを知りたくて本日参りました。

山陰合同銀行様私たちはIT統括部のデジタル改革グループに所属しています。与えられたミッションは行内の業務を改革することです。
desknet’s NEO導入は2023年10月です。導入の経緯としては、行員に対して実施したグループウェアに関するアンケートの中で、「行内の情報が探しにくい」という声がたくさん寄せられたことでした。すぐに他の地方銀行様ではどのようなシステムを活用されているか調査し、比較検討。その結果、desknet's NEOのポータル機能が目に留まったのですが、さらにノーコードでいろいろな仕組みが作れるAppSuiteに魅力を感じて、導入を決定しました。導入して1年ほどですが、既に100案件以上のアプリを作成してリリースしています。

便利だと一度わかれば、活用はあっという間に広がる

導入後、便利な点や満足している点について教えていただけますか。

北陸銀行様2017年1月に本番稼働しました。現場で使ってもらうために、休暇申請をワークフローでしか取得できない仕組みにしました。当初、現場は戸惑っていましたが、今では操作に慣れて稟議書などもワークフローを活用して進める流れになり、定着しています。回覧・レポートはメールで連絡を回すよりも便利だろうという予測から機能を追加しました。これについては予想以上に反応が良かったです。メールで伝達事項を送付したとき返信がこなければ、相手が見たかどうかがわかりません。でも回覧・レポートを使えば、閲覧したかどうかは一目瞭然。「便利」だと現場からは高評価であっという間に広まりました。このおかげで行内のメールのやりとりはかなり減りましたね。
それだけでなく、他の人のコメントを閲覧したうえで、補足コメントをするというようなこれまでになかったアプローチをする人が出てきて、意見の多様化につながりました。また、“本当に議論したのか?”というエビデンスとして回覧・レポートのコメント欄を印刷して添付した稟議書を回すようになるなど、想定外に良い方向に進んでいます。

宮崎銀行様desknet's NEOの基本的な機能なのかもしれませんが、スケジュール登録から調整、会議室予約までまとめてできるようになりました。毎日のことなので、ストレスがないというメリットは大きいですね。
desknet's NEO導入後もワークフローは別のシステムを並行利用しています。ただ、desknet's NEOは書式を自由に作れますし、申請設定がいろいろとできる。ユーザーや組織、ロールによるアクセス権限設定の細分化もしやすくて助かっています。運用しやすいので各所管部の要望にスピーディーに対応できるようになり、評判も良いです。
今はdesknet's NEOをグループ全体で共同利用する検討を進めています。

多摩信用金庫様当金庫の場合、現場から上がった要望に対して、管理者がAppSuiteを活用し、毎月3~4つのアプリをリリースしています。現場からはいろいろな相談が上がってくるのですが、AppSuiteで細かいところまで対応できています。直感で操作できるのはもちろん、使えば使うほど機能への理解が進む。パッケージ製品として本当によくできていると感心しています。

山陰合同銀行様私たちはAppSuiteに魅力を感じて導入を決めました。先ほど多摩信用金庫様がおっしゃったように、弊行でも現場からアプリに対して高い要望がきたとしても対応するのに十分な自由度や機能があるので助かっています。APIで他のシステムとの連携が柔軟にできる点もありがたいですね。
一方で、各種申請を行う別のワークフローシステムを利用しているので、AppSuiteで作成した申請との交通整理が今後の課題です。また、メールを使った申請などもたくさん残っていて非効率なのでこれらの移行も課題です。全体として効率化できるものは順次AppSuiteに移行していきたい考えです。
またスケジュール管理は現状メールソフトで行っていて、この文化が根強く残っているため、desknet's NEOのスケジュール機能を有効活用することができていない状況です。

北陸銀行様弊行の場合もメールからワークフローへの移行は大変でした。個別にやりとりが発生するたび、「メールでのやりとりはセキュリティの観点でリスクがあるのでやめてください」とシステム部門から何度も注意喚起。繰り返すことで行内でのやりとりはワークフローで行うという文化にシフトしていきました。

山陰合同銀行様ワークフローではないのですが、回覧・レポートについては、実際に使用した人たちが便利だと気づき始めています。活用事例を行内に共有するなどして、回覧・レポートを使用する文化を広げようと模索しているところです。

北陸銀行様振り返ってみると弊行の場合、メール文化が定着する前に回覧・レポート機能を使い始めていました。個人のメールアドレスが普及するかしないかというタイミングだったこともあり、行内のやりとりについては回覧・レポートを使うという文化がうまく根付いたのだと思います。
コロナ前までは隣に座っている人に回覧を回す理由がわからないという話がありました。でも感染症の広がりで、そういう考え方もなくなりましたね。それに今の世の中、エビデンスをしっかりと残すことが重要です。そういうエビデンスを残すという意味では回覧・レポートは有効なのです。

不便な点や改善要望について

では、不便な点や改善要望があれば教えていただけますか。

北陸銀行様あまりないのですが、desknet’s NEO内の機能同士の連携をもっと強化していただきたいです。

宮崎銀行様ChatLuck(チャットラック)にメッセージが入ると、desknet’s NEOに連携されるのは最短で30分とタイムラグが少しあります。ただ最新版ではdesknet’s NEOのポータルにChatLuckにメッセージが届くと自動表示できるようになりました。わざわざアプリを開かなくても確認できる点はいいのですが、もう少し連携する時間が短いと助かります。またワークフローについても要望があります。ワークフローを作成した場合、作成日から保存期間が決まります。起案日ではなく、完了後から保存が始まる仕組みのほうが、必要以上の保存期間を設定する必要がなく、無駄なリソースを消費しないのでありがたいです。

多摩信用金庫様私たちはAppSuiteについて要望があります。AppSuiteでワークフローを作成している場合、ワークフローの経路以外のユーザーでもデータの閲覧権限がある場合には、決裁履歴も閲覧できるようにしていただきたいです。ほかにもワークフローについてですが、承認を別の人に委任した場合、受任者にAppSuiteのデータが閲覧できるようにしていただきたいです。

山陰合同銀行様AppSuiteについてですが、新規・編集・変更というボタンの名前がわかりにくいです。新たなバージョンでは変えられるようになったと聞き、最近バージョン8.5にアップデートして名前を変えられるようになりました。しかし動線を考えるといろいろな入力項目を入力した後に、これらのボタンがあるとわかりやすいのではないかと思います。なので、これらのボタンも画面上に自由に配置できるようにしていただきたいです。

貴重なご意見ありがとうございます。いずれも開発にフィードバックさせていただきます。
それでは前編はこちらで終了です。後編はAppSuiteの活用法についてさらに深掘りしつつ、ほかにも人事異動の際の移行やアクセス権限の設定など、気になる運用についても話を進めてまいります。