松尾秋田県とアイシーエスのこれまでのお取引について教えてください。
伊藤私どもは岩手県の第三セクターとして設立された会社で、今年で50周年を迎え、秋田支店も昨年、開設20周年を迎えました。これまで多くの自治体において、システム設計・開発から保守運用などを幅広く手がけてまいりました。
菊地県庁に初めてグループウェアを導入した時にお手伝いいただいたのも、アイシーエスさんでした。今回導入したdesknet's NEOはグループウェアの3世代目になるのですが、以前から県の情報システムに関するいくつかの案件でアイシーエスさんにご協力いただいており、手厚いサポートをしていただているので安心してお任せすることができました。
伊藤実は前回のグループウェアの導入から保守・運用を任させていただいたため、旧システムを熟知し、課題についても十分理解しているという点も、秋田県様に満足いただく提案を行えた要因と考えております。
松尾アイシーエス様と取引する上でどんなメリットがあるのでしょうか。
菊地まず、県庁と道路を挟んだ反対側にアイシーエス様の支店があり、迅速なサポートをしていただけるのが大きなメリットと考えています。
高橋毎日、県庁に何度も足を運び、リアルタイムで現場の起こっている事象について直接ヒアリングしています。問題があれば、すぐに支店に持ち帰り、課題を解決すべくチームメンバー一丸となって取り組んでいます。現場の業務が停滞しないよう、迅速に解決することを心掛けています。
佐藤グループウェア以外のシステムでもご協力いただいているので、一番、繁忙期となる人事異動後のサポートも積極的に行っていただくなど、丁寧なサポートも魅力です。
伊藤旧システムについても熟知していたので、県庁のみなさんの手を一切煩わせることなく、必要なデータを抽出してdesknet's NEOに移行することにも成功しました。
松尾秋田県がdesknet's NEOを導入したきっかけについて教えてください。
菊地2002年に運用を開始した旧システムの契約が切れると同時に、機器の保守期間が終了するのを機に、グループウェアに関しても企画提案競技(コンペ)を実施。その時には数社からご提案をいただきました。
佐藤旧グループウェアでは県職員一人あたり50MBとメール容量は制限していたのですが、バックアップしたメールアーカイブの保存期間などのルールを明確化していませんでした。そのため、すべてのメールアーカイブをバックアップしなければならず、日に日にメールアーカイブが肥大化し、バックアップ時間が増大していました。8時間で終わっていたバックアップが24時間かけても終わらないという異常な事態が発生していました。
菊地そのため、朝、始業時にグループウェアへのアクセスが集中すると、極端に動作が遅くなり、動かないこともありました。
佐藤職員の方から「システムが落ちていませんか?」などと職員の方から問い合わせを受けることもあり、1日あたり5~10件の電話対応をしなければならず、システム管理者側の負荷も大きくなって悩みの種になっていました。
高橋旧システムの課題は十分把握しておりましたので、現行業者として、繁忙時間でも職員様がストレスなくシステムを利用できるよう、負荷試験及びパフォーマンスチューニングを行い、課題改善に努めました。
松尾アイシーエスではなぜdesknet's NEOを選んだのでしょうか。
伊藤旧システムでメールアーカイブが肥大化して、始業時に動作が遅くなることは知っていました。それを解決して、グループウェアを利用する際のストレスをなくすことは何よりも重要な課題でした。情報企画課様から提示いただいたシステムに対する仕様要求をクリアできるグループウェアを探していた時に、見つけたのが「desknet's NEO」でした。
要求をクリアできるうえ、ライセンス費がリーズナブルで運用コストが下がるのも魅力でした。既に全国の自治体で導入実績が多い点も安心材料となり、導入した場合にサーバ台数を減らすことができるというのも選定した理由です。
佐藤製品選定は企画提案競技(コンペ)で行われたのですが、書類やプレゼンテーションを審査委員が採点する方式を採用させていただきました。
菊地アイシーエスさんのプレゼンターは、高橋さんでした。実際の「desknet's NEO」の画面をキャプチャーしたパワーポイントの資料などを使って説明していただいたのですが、
導入後の使用イメージが分かりやすかった点も評価につながりました。
2014年8月から数カ月かけて検討を実施。システム管理者としては多機能でありながら、ライセンスにかかる費用が低いということに加えて、動作が軽く、サーバ台数などシステム機器にかかる費用を下げることができる点も評価し、「desknet's NEO」を採用することに決めました。
松尾システム導入後のユーザーに対する教育や活用推進ではどのような取り組みをされたのでしょうか。
佐藤県庁以外にも地域振興局などの施設がありますので、県内8カ所で各所属の情報化リーダーに集まってもらい、説明会を開催し、使い方の基本を説明しました。その後、運用が開始されてからは「desknet's NEO」の掲示板(インフォメーション)上によくある質問をFAQとしてまとめて掲載。ユーザーが困らないように周知しています。
松尾導入後、desknet's NEOはどのように活用されているのでしょうか。
菊地ウェブメールの1日あたりのメールの送信は1万2,766通、受信は1万5,063通、
スケジュールの1日あたりの利用数は317件、文書管理は94件、設備予約は89件などと
あらゆる機能を利用しています。ブラウザを使って簡単に作れるアンケートも、現場の意見を吸い上げるのに役立っています。
また以前は、設備予約とスケジュール管理が別々のソフトウェアで管理されていたため、手間がかかり、あまり利用されていませんでした。一体となったことで利用数も上がっています。その結果、職員を参集する会議などのスケジュール管理がラクになりました。
もちろん、朝アクセスが集中した時に動作が極端に重くなることもなくなり、ストレスがなくなりました。
佐藤サーバ台数も15台から4台へ、大幅にダウンサイジングでき、管理の負担も減り、コスト削減にもつなげることができました。
菊地秋田県ではダイバーシティーを推進しているのですが、出産や育児などでライフスタイルが変わった方たちはもちろん、高齢化による介護者の増加を受けて柔軟に働けるような取り組みも実施しています。システム管理者としては、自由な働き方を支援するために今後はスマートデバイスなどからの利用ができるように試験をしながら、今後の展開を検討しています。
松尾秋田県がダイバーシティーを積極的に取り組んでいる話がでましたが、高橋さんは小学6年生と4歳のお子さんを持つママさんでありながら、このプロジェクトを指揮したプロジェクトマネージャーという重要な職務を見事成し遂げたと伺っています。日々、多忙だと思いますが、仕事と家庭はどのように両立しているのでしょうか。
高橋仕事・育児・家事に集中する時間・期間を決め、めりはりをつけて両立させています。第2子出産後、現場復帰した際に最初に任されたのがこのプロジェクトでした。プレッシャーもありましたが、それよりも責任のある重要な仕事を任せてもらえたことに対する喜びが大きく、その期待になんとか応えたいという気持ちが大きくなりました。
実際に働き始めてみると、伊藤支店長を始め、周囲のサポートが手厚いことを実感しました。子どもが急に熱を出した時、休みを取ってもほかのエンジニアがフォローしてくれる体制が整っているので安心して働けるのはありがたいですね。今後もできるだけ長く勤めて、会社に貢献できればと思っています。
松尾最後にアイシーエスへのご要望があればお聞かせください。
佐藤年内に現状のバージョンからバージョンアップする予定ですので、まずはスムーズに移行するためにサポートをお願いできればと思います。
菊地県としてはこれまで通り、寄り添う形でシステム導入や保守・運用のサポートをしていただければと思います。今後はマイナンバーの導入などにより、セキュリティー面でも強化をしていかなければなりません。また国からの情報システムにかける費用を3割カットするように指示をいただいております。このような課題を一緒に解決していただけるように知恵をお貸しいただければうれしいです。
松尾本日はありがとうございました。