中国への発注、日本への入荷を一元化。 今では事業の根幹を支える、なくてはならないものに【サンコー株式会社様インタビュー】
「面白くて役立つもの」をコンセプトに掲げ、家電製品の企画から開発、製造、輸出入、販売まで手がけるサンコー株式会社様。販売する製品を中国から仕入れて、輸入をする際、少量多品種の製品を管理するために、表計算ソフトウェアを使っていました。設立当初、従業員数は10人でしたが、現在では55人。売り上げについては約50倍増え、順調に成長をし続けています。そんななか、中国と日本、双方から製品の発注、出荷について管理できるデータベースを探していたところ、AppSuiteにたどり着いたといいます。
今回、AppSuite導入のキーパーソンとなった執行役員の萩澤茂雄さんに導入した経緯や決め手、実際にどのように活用されているのかなどについて、インタビューしました。
中国と日本、両国からアクセスでき、管理できるデータベースが必要だった
―まずは御社の事業や萩澤様の役割についてご紹介をお願いできますか。
【萩澤】
私たちサンコー株式会社は、家電製品の企画から開発、製造、販売まで手がけています。「面白くて役に立つ」をモットーに掲げて製品の販売をしているのですが、順調に成長を続けており、売り上げは会社設立当初の約50倍に増えています。
製品の輸入先は中国で、取扱商品が少数多品種であること、さらにいえば、中国とのコミュニケーションを密に行う必要がありました。
私は現在の会社で従業員としては最古参となるのですが、今は総務部で企画や調達など、他の部署で手が回らないところについてなんでも引き受けています。会社設立当初は、社内システムもほとんどなく、いわゆる表計算ソフトウェアに商品の発注や入荷など必要な情報を入れてやりとりしていたのですが、さすがに数年前からそれでは立ち行かなくなっていました。そこで社内の業務フローに習熟しているという点で、私が中国と日本からアクセスできるデータベースを探すことにしました。
―ありがとうございます。早速ですが、AppSuiteを選定したときの条件や決め手などについてお聞かせいただけますか。
【萩澤】
製品を選定するときにはいくつかの条件がありました。
・中国と日本からアクセスできる
・社員全員が平等に利用できる価格帯であること
・システムのプロでなくても手軽に作成できるもの
・サーバなどの管理の負荷が上がらないクラウド型サービス
・メンテナンスがしやすいもの
以上のような条件をもとにいくつか検討を重ねていきました。まずは手軽に使えるものとして候補に挙がったのがGoogleドライブでした。スプレッドシートを活用すれば、商品管理が手軽にできるのではと考えたのです。しかし日本からアクセスできますが、中国からアクセスできないということで断念しました。次にMicrosoft社のOneドライブのOffice365も検討しましたが、自動計算をする際に必要な関数が少なくて、候補から外れました。次に中国で多くのユーザー数を誇る百度(バイドゥ)。こちらは中国からアクセスできますが、日本からスムーズにアクセスできません。FileMakerというソフトウェアも検討してみましたが、サーバを用意する必要があること、メンテナンスに手間がかかるため、候補から外れました。
最終的な候補として、desknet’s NEOの「AppSuite」とサイボウズの「kintone」の2つに絞りました。実際にこれまで表計算ソフトウェアで作成したものと同じものを試しに作成してみました。
私はプログラミングができるわけではないので、「kintone」の方では思い通りのものがうまく作れませんでした。部品と呼ばれる項目を並べて、それなりの見た目のものは作れたのですが、部品一つひとつとの動き方の関連づけがいまいちわかりにくかったのです。一方で、「AppSuite」は1カ月くらいでそれなりの形を作って動かしてみると、思い通りに動かせました。それに初期導入コストがリーズナブルだったことも導入の決め手の一つでした。
2018年に導入し、今では業務の根幹を支えるシステムに
―AppSuiteを活用していただき、商品データベースや発注と入荷の管理、そのほか、社内情報のデータベースを作成し、利用していただいていると伺いました。
【萩澤】
当社の業務の肝となるのが商品マスターです。各商品の価格や画像、使用、卸値の計算などをまとめているもので、型番などで各情報を簡単に検索できるようになっています。
次に発注データベースは、発注ごとに商品を登録し、発注単位で入荷の予定や発注数などを管理しています。毎月、複数の商品を延べで100件近い発注を行っているので、発注単位ごとに入荷状況を処理しています。
そして入荷データベースも欠かせないシステムです。入荷単位ごとに出荷予定日、船便の情報、入荷数などを登録。管理アプリケーションで発注データとの関連づけも行っています。
2018年5月から作り始めて、1カ月後にはプロトタイプができて、どんどんバージョンアップしてきました。現場から上がってきた声を聞き、どんどん作っていたら導入してから3年間で、これまで私が業務に必要な仕組みを「AppSuite」で作ったものは25種類以上にも上ります。
商品企画を提案する仕組みも「AppSuite」を使っていますが、提案に対してコメントが入ると、メールで更新をお知らせしてくれる機能があるので、とても重宝しています。
―これまで表計算ソフトで管理されていたものをどうやって中国と確認していたのでしょうか。
【萩澤】
これまでは各担当者が表計算ソフトを作成し、メール添付をして、無料チャットの「Skype」を使ってやりとりしていました。商品について確認がある場合には、「何行目の商品について」などと言いながら確認を進めていましたが、正直、面倒でしたね。
ー画面やデザインなどで工夫されたポイントがあれば、教えていただけますか。
【萩澤】
「AppSuite」は画面のカスタマイズが自由自在にできるので、社内の利用方法に合わせてレイアウトをするように心がけました。また画面が複数、作れるので目的別に画面を作成し、ユーザーたちが目的に応じて切り替えられるようにもしました。
―導入して業務は効率化できたでしょうか。
【萩澤】
効率化できたというのではなく、これまで0だったものが1になったというのが正しいかもしれません。例えば、発注や入荷について全体で管理できていなかったのですが、できるようになったのは大きいですね。今では「AppSuite」なしでは当社の業務は立ち行きません。当社の根幹を支える基幹システムになっているといっても過言ではありません。
AppSuiteの改修に力を注ぎ、管理者も増やしていきたい
―最後に御社が思い描く、AppSuiteの今後の展望について教えていただけますか。
【萩澤】
これからは「AppSuite」の改修に注力していく予定です。また、これまでは売り上げ増加に伴う業務量増加によって、「AppSuite」が便利だったがゆえに業務に必要な仕組みを次から次へと作り、アプリケーションを乱立させてしまったという一面もあります。しかし統合できるものはいくつもあります。例えば、見積書について以前は税込み、税別を別々の仕組みで作成していましたが、今は一つのものしか使っていません。このようなものを整理して、これからは統合できるものはどんどん統合して、できるだけシンプルにして管理しやすい環境づくりをしていきたいです。また今、これらの仕組みのほとんどを私一人で管理しているため、中身がブラックボックス化してしまっているところもあります。今後は第三者も含めて管理できるような仕組みを整えて、システムの透明化を目指していきたいです。
―ありがとうございました。今後、活用いただく際にご支援させていただけることがあれば、尽力しますのでお声がけください。本日はお忙しいところ誠にありがとうございました!
<会社紹介>
会社名:サンコー株式会社
会社概要:家電製品の企画、開発、製造、輸出入、販売
URL:https://www.thanko.jp/
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WRITER
みなとデスクネッツ編集部
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